• HOME
  • 記事
  • 野球
  • ウクライナに快勝したサッカーU-23代表はパリ五輪最終予選を突破できるのか…1勝1敗に終わった強化試合の収穫と課題を考察
アンカーを務めた主将の藤田譲瑠チマがパリ五輪出場が決まっているウクライナ戦の完封勝利に貢献(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)
アンカーを務めた主将の藤田譲瑠チマがパリ五輪出場が決まっているウクライナ戦の完封勝利に貢献(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

ウクライナに快勝したサッカーU-23代表はパリ五輪最終予選を突破できるのか…1勝1敗に終わった強化試合の収穫と課題を考察

 一方でパリ五輪世代の「10番」を背負ってきたMF鈴木唯人(22、ブレンビー)を筆頭にドリブラーのMF斉藤光毅(22、スパルタ・ロッテルダム)、MF三戸舜介(21、同)、MF福井太智(19、ポルティモネンセ)、FW小田裕太郎(22、ハーツ)、さらに1月にトップチームへ昇格したFW福田師王(19、ボルシアMG)らが選外なのは、来月の招集へ向けたJFAと各所属クラブの交渉がうまく進んでいないがゆえと見ていい。
 JFAの山本昌邦ナショナルチームダイレクター(65)は、現状を「監督が求める全員を呼べるわけではない」と明言。その上でアジア大陸に与えられた3.5枚の五輪切符を手にして、8大会連続でヒノキ舞台に立つための戦いへ強い危機感を抱いている。
「今回はアトランタ大会以来、本当に難しく過酷な予選になると想像している」
 U-23代表を率いる大岩剛監督(51)としても、鈴木唯らを欠いた戦いを想定しているからこそ、前哨戦となる今シリーズにも招集しなかった。首脳陣が募らせる危機感と覚悟は、おのずと選手たちにも伝わる。今回背番号「10」を託された佐藤が言う。
「チームを勝たせるための『10番』の仕事は、最低限果たせたと思っている。ただ『10番』じゃなくても同じ思いがある。日の丸を背負う上でそれは全員が抱かなければいけない責務だと思うので、番号にかかわらずこれからも引っ張っていきたい」
 日本は1996年のアトランタ大会で、銅メダルを獲得した1968年のメキシコ大会以来、実に28年ぶりに五輪の舞台へ戻った。それ以降は7大会連続で五輪出場を果たし、23歳以下の選手たちの多くがその後のA代表で活躍してきた。
 日本サッカー界の発展に繋がる系譜を途切れさせないために。16カ国が集うAFC・U-23アジアカップはまず中国、韓国、アラブ首長国連邦(UAE)と同組になったグループBで上位2位以内に入り、8カ国が進む決勝トーナメントで3位以内に入らなければならない。重圧を前へと進んでいく力に変えて戦う正念場へ、運命のカウントダウンに入る。
(文責・藤江直人/スポーツライター)

関連記事一覧