なぜ?残る不可解な疑念…大谷翔平の代理人が証拠提出を拒否…水原一平氏に盗難された6億8000万円の被害届を出した相手をいまだ示さず…ESPN報道
ドジャースの大谷翔平(29)が元専属通訳の水原一平氏(39)に自らの口座に勝手にアクセスされて、6億8000万円を違法賭博の借金の支払いのため盗難されたことを告白した問題の波紋が収まらない。26日(日本時間27日)に今回の問題をスクープしたスポーツ専門局「ESPN」は大谷の代理人サイドが「盗難被害届を出したのはどの当局だったのか?」という質問への回答を拒否し続けていることを明かした。メジャーリーグ機構が調査をスタートさせている賭博スキャンダルの疑問は残ったまま。今後の展開も不透明だ。
MLBと国税庁が調査している事実以外は判明せず
大谷翔平の衝撃の告白で今回の賭博スキャンダルについての白黒がついたように思えた。だが、いち早く、違法ブックメーカーに大谷の口座から450万ドル(約6億8000万円)もの送金があったとの情報をつかみ、水原氏のインタビューを取るなど、スクープを続けているESPNが、新たな疑惑を報道した。同メディアが大谷の会見の翌日に大谷の代理人事務所CAAに「窃盗疑惑をどの当局に報告したか?」との質問を再度出したが、広報担当者がまた回答を拒否したというのだ。
大谷の弁護団は21日に「大谷が大規模な盗難被害にあったことが判明したので、この問題を当局に引き渡した」との声明を発表。25日(日本時間26日)には、大谷が12分間の声明を読み上げて、「彼(水原一平氏)が僕の口座からお金を盗んで嘘をついていた」「韓国での開幕戦後までギャンブルのことも借金のことも知らなかった」などと明かした。韓国でのパドレスとの開幕戦後にホテルで1対1の話し合いを持ち、水原氏の「嘘をついていた」「お金を盗んだ」というショッキングな告白を聞いた後に代理人を呼び、その代理人がドジャースと弁護士に連絡をとり「僕の弁護人たちは、これは窃盗と詐欺のことなので、警察の当局に引き渡すという報告を、その時にしました」とも明かしたが、その報告先が、どこなのかがいまだ不明なのだ。
またESPNは、窃盗疑惑を捜査できる地方、州、連邦機関を取材したが、「大谷陣営からの報告を受けたという確証を得ていない」という。
国土安全保障省だけは、26日(日本時間27日)にESPNの取材に対して、「大谷の元通訳である水原一平氏を調査するために国税庁と協力していることを認めた」が、「大谷の窃盗疑惑を調査しているのか」、「大谷の代理人からの連絡があったのか」という重要なポイントについては明らかにしなかった。
国土安全保障省の広報担当者がESPNに伝えたコメントは、「国土安全保障調査局ロサンゼルス支局とIRS(国税庁)犯罪捜査局ロサンゼルス支局は、この件について合同で連邦捜査を行っている」というもので、「それは、水原氏の役割を含む全体的な調査」と言及したが、「当局は進行中の調査についてこれ以上コメントできない」と伝えた。また、国税庁の広報担当者であるスコット・ヴィリアード氏は、これまでもESPNに対して、水原氏と違法ブックメーカーのマシュー・ボウヤー氏を調査していることを認めたが、「大谷氏の代理人から国税庁に連絡があったかどうか」についてはずっと明言を避けている。