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本拠地デビューを飾った大谷はドジャーブルーにカーペットを通って登場。5万を超えるファンの温かい歓迎を受けた(写真・AP/アフロ)
本拠地デビューを飾った大谷はドジャーブルーにカーペットを通って登場。5万を超えるファンの温かい歓迎を受けた(写真・AP/アフロ)

「ドジャースファンは安心した」米メディアは”賭博スキャンダル”渦中で本拠地デビューした大谷翔平をどう報じたか?

 ドジャースの大谷翔平(29)が28日(日本時間29日)、地元ドジャーススタジアムでのカージナルス戦で「2番・DH」でスタメン出場し4打席で2安打1四球1三振の結果を残した。珍しいオーバーランの走塁ミスもあったが、ムーキー・ベッツとフレディ・フリーマンのMVPトリオの2人に本塁打が飛び出すなどして7-1で快勝した。賭博スキャンダルで揺れる中での大谷の本拠地デビューを米メディアはどう報じたか?

 ベッツ「我々3人(大谷、フリーマン)はやれることをやっているだけだ」

 元専属通訳だった水原一平氏の姿はベンチにない。
 水原氏が違法賭博で作った借金の返済に困り大谷の口座から450万ドル(約6億8000万円)を盗み、違法ブックメーカーに送金した容疑で解雇された“スキャンダル”の波紋がまだ収まっていない中、大谷がドジャースタジムの打席に立った。
 1回無死一塁。元巨人のマイコラスがインサイドを攻めてきた変化球をライト線に引っ張る二塁打。だが、三塁走者の動きを確認せず、三塁コーチのジャッジを見ていたため、大きくオーバーランする走塁ミスでアウトになった。それでもベッツを三塁へ進めて先制点につなげた。
 3回にはベッツに2号ソロが飛び出し、大谷が四球でつなぎ、フリーマンが今季1号2ラン。大谷は5回の第3打席で右前打を放ちマルチ安打。7回の第4打席は空振りの三振だった。
 地元紙のロサンゼルスタイムズ紙は「1週間にわたるドラマの後、ドジャースが馴染みのある場所に戻り、彼らのホーム開幕戦で勝利」との見出しを取り、本拠地開幕戦の勝利を伝えた。
「歴史的な14億ドル(約2100億円)のオフシーズンの大補強、冬に積み上がったファンの期待、スターの揃ったラインアップで、一瞬の興味を引き起こした春季キャンプ、そして大谷と元通訳である水原一平氏の周辺で起きた窃盗と賭博スキャンダルの混乱の後、ロバーツ監督とドジャースは、レギュラーシーズンに突入することが待ちきれなかった」
 そう伝えた上で大谷をファンが暖かく迎えた様子をレポートした。
「記録的な7億ドル(約1060億円)の契約のあと、初めて迎えたドジャースのホーム開幕戦で、この2度のMVP受賞選手の大谷は2安打と1四球で、背番号17のジャージを身に着けた一団を含めた5万2667人の観客を喜ばせた」
 一方、オフの獲得競争で敗れたメッツ、ヤンキースの地元紙ニューヨークタイムズでさえ、大谷の本拠地デビューを大々的に報じた。
 同紙は「大谷ががホームゲームで野球に集中しドジャースファンは安心した」との見出しを取り、「ロサンゼルス(ドジャースのファン)が最も新しいメガスターをフィールドで見る前から、そのインパクトは強烈だった。航空会社、小売店チェーン、ヨーグルト飲料、スキンケア用品といったアジア系企業の新しい広告がスタジアムのあちこちに存在した」と描写。
「ロサンゼルスの住民が朝食を取っているか、朝の交通渋滞に巻き込まれている時に、地元紙の1つは、大谷と(人気歌手)テイラー・スイフトを比較し、『ドジャースは、野球版の(テイラー・スイフトの)エラス・ツアーだ』と言及した。そしてスタジアムでの新しいメニューには大谷の大好物の1つとして宣伝される、たこ焼きがある」と、その喧騒を伝えた。
 同紙は「大谷が試合前に俳優のブライアン・クランストンによって紹介され、ブルーカーペットの上をセンターフィールドのフェンスから歩いてくると、完売となった5万2667人の観客は、大歓声をあげた。彼が第一打席で二塁打を放つと全員が総立ちとなった。そして彼が二塁打を三塁打に広げようとしてタッチアウトとなると、彼の積極性に喝采を送った」と紹介した。
 そして「ドジャースファンにとって、この日は始まりと同じく華やかに終了した。大谷は、もう1本安打を加え、ドジャースがセントルイス・カージナルスに7-1で勝つ中で3打数2安打で終えた」などと大谷の活躍を報じた。

 

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