「彼は中盤に君臨する戦士だ」遠藤航が三笘薫を欠くブライトン戦の逆転勝利に貢献…地元紙絶賛
象徴的だったのは後半8分。右ウイングバックに入ったガーナ代表DFタリク・ランプティ(23)にカウウターを発動された場面で、左タッチライン際で追走した遠藤がランプティに追いつき、ファウルなしでボールを奪取。味方の攻撃につなげている。
リバプール専門メディアの『LIVERPOOL.COM』も遠藤に「7」をつけている。
「ピッチの中央で強烈なタックルを何度か披露し、相手の脅威であるダニー・ウェルベックの前で何度かスクリーンとしての役割を果たした。タイミングを間違える場面がいくつかあったものの、プレーそのものは試合を通して安定していた」
この「安定」の二文字こそが、遠藤が必要不可欠となっている理由となる。
昨シーズンのプレミアリーグで5位に甘んじたリバプールは、中盤の総入れ替えを行った。オフの間にアルゼンチン代表のマクアリスターをブライトンから、ハンガリー代表のソボスライをライプツィヒから獲得。さらに開幕直後には、当時30歳という年齢を含めて周囲から懐疑的な視線を向けられながらも日本代表の遠藤を獲得した。
トップチームに昇格して2シーズン目を迎えていた期待の星、スペイン出身のステファン・バイチェティッチ(19)が負傷で長期離脱を強いられたなかで、今シーズンの前半は中盤の最適解を探すのに試行錯誤した。しかし、プレミアリーグとリバプールでのプレーに順応した遠藤が、アンカーに定着した昨年12月以降で潮目が変わった。
それまでアンカーを務めていたマクアリスターが、インサイドハーフとして攻撃的なセンスを存分に発揮。ユルゲン・クロップ監督(56)が「リズムを作り、違いを生み出し、試合の一瞬、一瞬のコントールできる」と称賛するマクアリスターが、ソボスライとともに躍動しているのも、後方で遠藤が重厚な存在感を放っている状況と無縁ではない。
国際Aマッチデー期間明けのブライトン戦へ向けて、クロップ監督はリバプールの公式HP上で、逆三角形型で組む新たな中盤に関して次のように言及している。
「昨シーズンを終えて、われわれはかなりの再編成を行った。その結果、マシンルーム、つまり中盤はまったく新しい顔ぶれになった。遅れて6番(遠藤)が加入し、さらなるアイデアを生み出さなければいけなかった状況で、確かにシーズンが始まる前の段階では何もわからなかっただろう。それでもわれわれは一緒に道を見つけたんだ」