阪神の岡田監督が今季1勝。森下の3ランで勝負が決まった(写真・黒田史夫)
「阿部はおもろないんよ」…阪神が阿部巨人に一矢を報いた理由…岡田監督が1勝2敗のGT戦に感じた手応えと課題とは?
「8回の男」として2試合に起用された左腕の中川に一撃を食らわせたことも大きかった。若い選手を使い足を絡めてきたのも想定内。昨季は四球でつながれたという教訓を胸に、高低を使いストライクゾーンで勝負してくるバッテリーの傾向もわかった。またドラフト1位の西舘を連投させると、3連投は避けてベンチから外してきた。巨人のブルペンの指針のようなものも見え隠れした。1勝2敗の戦いの中から岡田監督が察知したものは少なくない。
開幕前にNHKのスポーツ番組「サンデースポーツ」が恒例のセ・リーグ監督対談を行い、岡田監督も参加した。
「阿部も真面目なんよ。おもろないんよ」
終始、模範解答を続けた阿部監督を岡田監督はこう評した。だが、番組の合間の休憩で喫煙所で一緒になった阿部監督は饒舌で、小さい頃は、熱烈な阪神ファンで、1985年の阪神のリーグ優勝時には、バースの背番号「44」のついた縦じまのユニホームを着て神宮球場にいたエピソードなどを熱く語ったという。
「あれを(本番で)出したらええのにな」
性格は采配に出る。親と息子ほど年齢の違う阿部監督の言動から岡田監督は何かを感じ取っていたのかもしれない。
まだ阪神は、ブルペンも頼れるメンバーがそろわず、佐藤、大山らのバットが湿るなど、チーム状態は本調子ではない。1勝2敗で終わった開幕シリーズ。
森下がチームの気持ちを代弁した。
「まだ始まったばかり。2連敗して落ち込んでいる暇はないので自分たちは連覇に向かっていくだけだと思っている。まだまだここから勝っていきたい」
明日2日からは準本拠地の京セラドーム大阪で横浜DeNAとの3連戦だ。