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海外組を招集できずに大岩剛監督も苦悩の末に23人のメンバーを選出した
海外組を招集できずに大岩剛監督も苦悩の末に23人のメンバーを選出した

サッカーU-23代表パリ五輪出場ピンチ?…なぜ鈴木唯人、チェイス・アンリ、福田師王らの海外組を大量に招集できなかったのか

 ヨーロッパはシーズン終盤、日本は同開幕直後と、選手を派遣する上で大きなリスクを伴う時期。こうした事態を、2004年アテネ五輪代表監督を務め、IMD期間内にホーム&アウェイ方式で行われたアジア予選を勝ち抜いた山本NDは次のように受け止めた。
「イレギュラーな形で、前例のない時期での開催となった」
 JFAはまずJクラブ側と緊急の話し合いの場を持った。2024シーズンが開幕した後で、しかもリーグ戦の中断もないIMD期間外の今大会に1クラブから選手を原則最大2人、状況に応じて3人まで招集できる協力体制を取りつけた。
 今回のメンバーからは、左サイドバックの一番手と目されたバングーナガンデ佳史扶(22、FC東京)が選外となった。これは同チームから松木、1月のアジアカップ代表のGK野澤大志ブランドン(21)、すでに5ゴールをあげてJ1得点ランキングの2位に名を連ねるFW荒木遼太郎(22)の3人が招集され、上限に達した状況と関係している。
 しかし、ヨーロッパ組の交渉は難航した。山本NDが言う。
「日本国内でのベースが作られたが、ヨーロッパをはじめとする海外でリーグ戦の終盤を迎える非常に重要な期間において、各クラブには選手をリリースする義務がないし、招集拒否もできる。選手を招集する上で本当にハードルが高くなっている」
 もっとも、鈴木唯や斉藤らの招集自体を早い段階で断念していたのだろう。彼らを呼べる状況にあった先の3月シリーズでも大岩監督はあえて見送り、今回とほぼ同じメンバーでU-23マリ及びU-23ウクライナ両代表との国際親善試合に臨んでいる。
 ただ、気になる戦績もある。
 東京五輪アジア最終予選を兼ねて、2020年1月にタイで開催された前回U-23アジアカップ。開催国として東京五輪への出場が決まっていた日本は森保一監督(55)のもと、本番へ向けて実戦経験を積むべく参加するも、まさかのグループリーグ敗退を喫している。


 サウジアラビアとシリアに連敗し、カタールと引き分けるもグループBの最下位に沈んだメンバーで、ヨーロッパ組はMF食野亮太郎(25、当時ハーツ、現ガンバ大阪)だけだった。当時からヨーロッパ組を招集しづらかった状況下で、日本もアジア最終予選を兼ねた状況ならば五輪連続出場が途絶える事態に直面していたわけだ。

 

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