「大谷だけじゃなくみんなに会えるのがありがたい。サインをもらいまくる」ドジャース移籍第1号の記念ボールを巡るトラブルでドジャースと和解した女性ファンが注目発言
ドジャースは5日(日本時間6日)、大谷翔平(29)が本拠地のジャイアンツ戦(日本時間4日)で放った移籍第1号の記念ボールの返還交渉で不適切な対応をして怒らせたアンバー・ローマンさん(28)と和解した。ローマン夫妻を12日(日本時間13日)にドジャースタジアムで行われるパドレス戦のフィールド席に招待し、大谷らが対面して改めて特別な記念品を贈るという。ローマンさんは、米スポーツサイト「ジ・アスレチック」の取材に答え、感謝を伝えるとともに「大谷だけじゃなくみんなに会えるのがありがたい。サインをもらいまくる」とコメントした。
ドジャースの対応は素早かった。
大谷の移籍第1号の記念ボールをゲットしたローマンさんが、「ジ・アスレチック」にドジャースの醜い返還交渉を暴露。警備員に取り囲まれ、夫のアレクシス・バレンズエラさんを引き離した上で、返還に応じなかった場合、ボールの公式認証を拒否するなどの脅しをかけられて、しぶしぶサイン入りの帽子2個、ボール、バットと交換した裏事情を明かすと、SNS上では、ドジャースへの非難の声が殺到した。しかもローマンさんは、大谷との対面を拒否されたという。大谷が試合後の会見で「ファンの人と話して、いただけるということだった。僕にとってはすごく特別なボールなので、本当にありがたいなと思います」と発言していたことでSNS上では大論争が起きた。
主語がないまま語った「このファンの人と話した」のフレーズが、SNSで拡大解釈されて拡散し「大谷が嘘をついた」「いや何も嘘はついていない」と“炎上”したのである。
「ジ・アスレチック」によると、ドジャースは事態の収容をするため、ローマンさん夫妻を12日(日本時間13日)のドジャースタジアムでのパドレス戦に招待した。フィールドクラブ席を用意し、試合前にはフィールド内に入ることを許可、特別な記念品をプレゼントするという。もちろん記念ボールを戻してくれた大谷が、直接対面してお礼を述べることになるだろう。偶然にも、その日は、ローマンさんの29歳の誕生日だという。
ローマンさんは「ジ・アスレチック」の取材に答え、「手を差し伸べてくれて本当に感謝しています。みんなに会えるのはありがたいです。(大谷に)だけではありません」と語り「サインをもらいまくります」と喜んだ。
また球団は、今回高圧的な態度でファンに迷惑をかけた記念のボールの返還交渉のプロセスを見直すことを明かした。
ローマンさんは、この姿勢を評価した。
「これは非常に重要なことです。次に(他の人に)同じ経験をしてほしくない。ドジャースファンからすれば、球団の態度はクールではなかった。もし、彼らがそれを変えるために、私にこのようなことが起こったのなら、それは素晴らしいことです」
米国では、巨大なコレクター市場があり、2022年にはアーロン・ジャッジのア・リーグの最多本塁打記録となった62号の記念ボールがオークションで150万ドル(約2億2500万円)で売買された。記念ボールは、まるで宝くじのようなものだから、この手のトラブルが後を絶たない。
それだけにローマンさんの告発は、ドジャースを動かしたという意味でも一石を投じたことになった。
ローマンさんは、「あの(フィールドクラブの)席に座ることは、決してできないだろうから、その日は、何か特別な記憶に残るものになりそうです」と最高の誕生日プレゼントを心待ちにしている。