英紙「なんてことだ!」リバプール遠藤航が先発復帰もマンUと2-2で引き分けて首位陥落
プレミアリーグ第32節が7日に行われ、日本代表のキャプテン、MF遠藤航(31)が所属するリバプールが2-2でマンチェスター・ユナイテッドと引き分け、アーセナルに首位を奪われた。前節を足の打撲で欠場した遠藤がアンカーで先発に復帰。敵地で先制して優位に試合を進めていたが、ミスで同点とされてから流れが一変。一時は逆転され、後半24分に遠藤は交代したが、終盤にかろうじて追いついた。残り7試合で、マンチェスター・シティを含めた3チームが勝ち点1差にひしめく大混戦が続いている。
BBCの遠藤採点は「5.88」で出場選手中で7位
ひとつのミスが、試合の流れを一変させた。
リバプールが1点をリードして折り返した後半5分。最終ラインでゆっくりとボールを回していたDFジャレル・クアンサ(21)が、パスの出しどころがないと判断。反転してボールをキャプテンのDFフィルヒル・ファンダイク(32)へ戻した。
しかし、周囲に対する警戒を完全に怠っていた。それまで遠藤の背後にいたポルトガル代表MFブルーノ・フェルナンデス(29)が、スピードのない横パスに狙いを定めて一気に加速。ファンダイクとの間に割って入り、そのままボールに右足をヒットさせた。
リバプールの守護神カオイムヒン・ケレハー(25)が、ペナルティーエリアの外にポジションを取っていたのを見越したプレー。40m近いロングシュートが無人のゴールに吸い込まれるとともに、敵地オールド・トラフォードが大歓声で揺れた。
試合を振り出しに戻す一撃は、実はこの試合でマンUが放った初めてのシュートでもあった。リバプールがつかんでいた流れを手放す凡ミスを、試合を速報していた英紙『Daily Telegraph』は「何ということだ!」と呆れた論調で伝えた。
「リバプールのセンターバック、クアンサがルックアップしない酷いプレーで、ボールをブルーノ・フェルナンデスにプレゼントしてしまった。しかもポルトガル代表MFは、相手キーパーがペナルティーエリアの外にいるのを見抜く心の余裕もあった」
3月31日のブライトン戦で足を打撲し、休養を兼ねて4日のシェフィールド・ユナイテッド戦を欠場した遠藤が満を持して復帰。主戦場であるアンカーの位置でにらみを効かせたマンUとの一戦は、敵地にもかかわらずリバプールが主導権を握った。
前半のシュート数は、リバプールの15本に対してマンUは0本。23分には右CKからポルトガル代表FWルイス・ディアス(27)が豪快なボレーを決めた。その直前にエジプト代表FWモハメド・サラー(31)へ、遠藤が絶妙の縦パスを供給。相手選手が何とか頭でクリアし、リバプールがCKを獲得した流れから生まれた先制ゴールだった。
しかし、追いついたマンUが息を吹き返す。迎えた後半22分。遠藤がワンタッチで放った縦パスをフェルナンデスに拾われた場面から逆転ゴールが生まれた。
ボールを託されたのは、この対戦を前に同じアンカーとして遠藤と比較されてきたカゼミロ(32)。リバプールのプレスにあう前にオーバーヘッドでのパスを選択したブラジル代表がマンUのカウンターを発動させ、最後は3月にイングランド代表デビューを果たしたばかりのMFコビー・メイヌー(18)がゴール右隅へスーパーゴールを叩き込んだ。