大谷が元広島のジャクソンからレフトの最前列に3号ソロを(写真:ZUMA Press/アフロ)
大谷翔平“クリケット打法”の謎を解く…なぜ3号&二塁打2本と爆発したのか
その難しい表現をNPBで左打者としてタイトル獲得経験のある某大物OBが、さらに詳しくこう解説してくれた。
「8試合本塁打が出なかったときは、バットのヘッドが遠回りしていました。強い打球を打とうとするので、手首の返しが早くなり、ラインドライブの回転の打球がライトへ増えて、得意のセンターから逆方向への打球が失速していました。おそらく動作解析でバットの軌道、打球角度、スピンなどを分析したのでしょう。平らなクリケットのバットでで打撃練習をすると、面でとらえ、手首を返さないようにしてボールを運ばないと打球をコンタクトできません。自然と手首でバットのヘッドを早く返してしまうという動作が修正されます。バットのヘッドが遠回りせずインサイドアウトで動くようになり、逆方向への打球が飛ぶんです。この日は、本塁打も含めて、すべてセンターから逆方向だったでしょう。その効果が出たわけです」
実は、日本のプロ野球でも、その昔、バットを半分平らにして、カマボコ状に改造したものが出回ったことがあり、ヘッドの返しを確認するのに使われていたという。
同球界OBは、「でもクリケットバットで練習したからといってすぐに効果を出せるわけじゃありません。その修正をすぐに実戦で生かすことのできる適応能力が大谷の驚くべき部分でしょう」と評価した。
松井秀喜氏が持つ日本人メジャーリーガーの通算最多本塁打記録の175本にあと1本と迫っている大谷は9日(日本時間10日)のツインズ戦に「2番・DH」でスタメン出場する。ツインズの投手は、昨年4勝3敗の右腕ルイ・バーランドだ。
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