なぜ筒香は巨人ではなく“古巣”横浜DeNAへの5年ぶり復帰を選んだのか…小雨のハマスタで9600人のファンを前に公開入団会見
ただ、アメリカで練習を続けながら、自身のキャリアに思いを巡らせたときに心境に変化が生じ始めた。そこへ横浜DeNAをはじめとする、複数のNPB球団からのオファーが届いた。8日には一部スポーツ紙が「巨人入りが決定的」と報じ、その後に複数のメディアが一転、古巣への復帰を伝えたなかで、16日に横浜DeNA入りが正式発表された。
名字の「つつごう=255」にちなむ粋な計らいで、午後2時25分に発表された筒香の復帰。報道では3年契約で、2年目までは推定年俸3億円で、3年目は変動制の契約となったという。しかし、条件面などが決め手になったわけではないと筒香は言う。
「交渉自体は代理人以上の信頼関係を築けているジョエルにすべて任せていました。そのなかで常に野球が上手くなる方を選択して進む、という考え方が自分の頭のなかにありました。今回もいろいろと考え、自分の頭を整理していった結果、最もエネルギーを要し、日本でプレーする上で僕のモチベーションにもなるのがベイスターズでの優勝でした」
条件などを引き出す交渉は、代理人のジョエル・ウルフ氏に一任していたが、筒香の決断につながったのは、25年間、遠ざかっている古巣の悲願達成の力になることだった。自らが在籍中も届かなった大目標である。横浜DeNAでは2016年には44本塁打、110打点で2冠に輝いた実績がある。しかし、メジャーでは結果を残せなかった。
「みなさんもご存じの通り、アメリカでの成績は決して満足できるものではありませんでした。それでも、プロ野球選手が結果で評価されるのは当たり前です。結果を出せなかった原因といまも向き合っていますし、今後もそうし続けていきます。その意味でアメリカでの日々は間違いなく僕のかけがえのない財産になりますが、いまは過去を振り返っている時間もありません。ベイスターズのために必死に頑張るだけです」
筒香は平均球速が150kmを超えるストレートに対応できなかったことがメジャーやマイナーで苦戦を強いられ続けた理由として指摘されている。筒香自身も課題がわかっているからこそ、これまでも、そしてこれからも「向き合っていく」と力を込めた。