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大谷だけではない。過去にもあった巨額な詐欺被害(写真・AP/アフロ)
大谷だけではない。過去にもあった巨額な詐欺被害(写真・AP/アフロ)

大谷だけではない!なぜ有名アスリートは詐欺被害にあいやすいのか…過去にNBA“レジェンド”ロッドマンや約46億円被害も…「口座のお金の動きを知っている選手はほとんどいない」

 投資詐欺などの被害にあったプロアスリートや芸能人の代理人を専門とするフロリダ州の弁護士、チェイス・カールソン氏は、同メディアの取材に対して「信頼できる人を選ばないといけない。残念なことに(詐欺を働く)人々は、その信頼を利用しているのだから」と指摘した。
 水原容疑者は、6年間、大谷の通訳だけではなく、運転手や日常業務の処理、野球以外の特定ビジネスや個人的な問題の管理なども任され連邦捜査当局は「事実上のマネージャー兼アシスタントだった」と述べた。
 この弁護士が指摘するケースに大谷も当てはまっていた。
 また世界的な会計事務所MGOのエンターテインメント・スポーツ・メディア部門の責任者、アンソニー・スモールズ氏によると「悪質なファイナンシャル・アドバイザーやビジネスマネージャーによって詐欺被害は起きているが、ほとんどの場合、銀行口座の承認プロセスを回避できる人物は信頼していた友人や家族だ」という。
 そして多くのアスリートは、サポートメンバーの役割を分担しているため、それがサイロ化を生み透明性の欠如につながっているという。
 スモールズ氏は「集まったチームは定期的にアスリートやエンターテイナーと会い、チェックするクローズドサークルを確保する必要がある」とも口にしている。
 大谷も資産の管理は会計士と金融の専門家に任せていた。
彼らは詐欺に加担していたわけではなく、水原容疑者の「大谷が非公開を求めている」という言葉に騙され、口座へアクセスできず、大金が消えていることに気づかなかったわけだが、大谷と定期的にミーティングを持ち、代理人事務所のCAAと連携を取っていれば、どこかで異常に気づいたかもしれない。
 スポーツ・ファイナンシャル・リテラシー・アカデミーの国際業務ディレクターであるアテナ・コンスタンティノウ氏は、「アスリートに金融リテラシーがあれば、自分のお金を誰に渡すかを理解できる。最終的に決定を下すのはアスリート自身であり責任も負うのだから」とコメントした。
 連邦捜査当局は「大谷は被害者である」と断定した。口座からの送金も許可しておらず違法なスポーツ賭博にも一切関与していないことも明らかになった。大谷は水原容疑者に騙された被害者ではあるが、口座の管理を水原容疑者に任せっきりだったという姿勢は金融リテラシーが欠如していたと指摘されても仕方がない。そこに大谷が水原容疑者の犯罪を見抜けなかった理由のひとつがある。資産管理の責任と決断は自分自身にあることを肝に命じて、今後は、この事件を教訓にしなければならないだろう。

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