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ドジャースの山本由伸は因縁のメッツ戦に先発したが6回を投げて4失点で勝ち負けがつかなかった(写真・AP/アフロ)
ドジャースの山本由伸は因縁のメッツ戦に先発したが6回を投げて4失点で勝ち負けがつかなかった(写真・AP/アフロ)

え?ボロカスではなく称賛?!「山本由伸は破壊的なスプリットを持つ“ぞっとする”投手だった」…攻略成功も争奪戦で“ふられた”メッツ地元メディアや投げ合った43億円左腕は意外な反応

 ドジャースの山本由伸(25)が19日(日本時間20日)本拠地でのメッツ戦に先発。今季最多の6回、99球を投げて9三振を奪ったが、本塁打を含む7安打4失点でメジャー2勝目を手にすることができなかった。メッツはオフの争奪戦で当初は“有利”とされていたチーム。地元NYメディアからすれば、さぞかし胸のすく攻略だったはずだが、その反応は意外なものだった。

 ジキルとハイドのような投球

 山本のメジャー5度目の先発はホロ苦いものになった。2回にD.J.スチュアートに155キロのストレートをライトスタンドに運ばれ、さらに打ち取った打球を捕手が一塁へ、とんでもない悪送球をするなどの守備の乱れもあり、ベイダーにタイムリーを打たれて、この回に2失点。3回にもピート・アロンゾにタイムリーを浴びるなど2失点してゲームの主導権をメッツに渡してしまった。4回一死二、三塁のピンチからは、スプリットを決め球に切り替えて連続三振を奪い、無失点に切り抜けるなど、メジャー移籍最長の6回で9三振を奪ったが、試合後に山本は、「負けてしまっているので、もちろん反省というか、よくなかったのは間違いない。いいところは徐々に出ている。試合に勝てるように投げていきたい」とコメントした。
 大谷の21試合ぶりの得点圏でのタイムリーなどもあり、6回にチームは同点に追いつき、山本の負けは消してもらえたが、4-9で敗れて連敗。山本が神妙になるのも当然だった。
 メッツはオフにド軍と争奪戦を演じた因縁の球団。オーナーのスティーブ・コーエン氏は編成の責任者を伴い、いち早く来日して山本の家族を交えてディナー会談。交渉が佳境に入った段階では、コネチカット州グリーンウィッチの豪邸に招待して、再びディナー会談を持ち、ドジャースと同じ3億2500万ドル(約500億円)の条件を提示したとされるが、結局、ふられた。
 地元NYメディアにしてみれば、その“ふられた恋人”を見事に攻略して5連勝を飾ったのだから、さぞかし胸のすく結果だったはずだが、意外な反応を見せた。
 ニューヨークのスポーツテレビ局SNYは、「山本がオフにメッツを冷たくふった後にドジャースの選手として登板し、ジキルとハイドのような投球を行った。メッツ打線は彼のストレートとカーブを攻略したが、一方でこの右腕は9人の打者から三振を奪った」と報道。
 ニューヨークポスト紙は、「メッツが勝利の中で山本を手荒く扱う」との見出しを取り、オフにメッツのコーエンオーナーがいかに山本を接待したかを紹介した上でこう伝えた。
「山本は将来のスター選手としての姿を一瞬きらめかせた。しかし3億2500万ドル(約503億円)のオファーを出されたメッツの夕食のゲストとして食事していた方が、ドジャースで投げるよりも幾分良かったようだ。メッツはロケットのような強打を何本か放ち、FA史上最も引く手あまたとなった投手から4点(自責点3)を奪った。山本は99球の中で72ストライクを投げて今季最多の9三振を奪った。彼は素晴らしい投球も見せたが、メッツには十分ではなかった」

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