世界戦で衝撃裏情報「奇行は演技だった」…体重超過の暴挙の末に王者から3度ダウンを奪い衝撃勝利のガルシアは「毎日酒を飲んでいた」と語ったが…
ヘイニーはダメージを負っていた。
ガルシアが、次の8ラウンドで一気に勝負を仕掛けるかと思いきや、またこのラウンドは休んだ。半身で被弾を避けながらの安全運転を9ラウンドも続けてヘイニーを回復させてしまったのだが、10ラウンドにガルシアの左フックがまた爆発。ヘイニーが2度目のダウンを喫した。
ヘイニーは立ち上がり、ガルシアのラッシュをクリンチで逃がれた。
11ラウンドに至近距離から、また左フックを浴びて3度目のダウン。ガルシアはヘイニー陣営のセコンドを務めていた父親のビル・ヘイニー氏に目で「もう止めろ!」というサインを送ったという。それでも最後まで10カウントを聞かなかったのは無敗王者のプライドだったのだろう。
米スポーツ専門局のESPNやスポーティングニュースなどの米主要メディアは「大番狂わせ」として報じた。ブックメーカーの賭け率もヘイニーが圧倒的に有利だった。
ヘイニーは「奴の左フックで眠りにつかされた。オレは一発狙いの勝負をかけた。そこで反撃されるのは当然の流れだ。自分のパフォーマンスに失望したが、オレが真のチャンピオンであり、何度倒されても戦えることを証明した。奴が体重を増やさなければ、オレがチャンピオンだ。やり返す」と再戦を要望した。
当初、ガルシアが勝った場合、王座は空位になると考えられていたが、試合後、WBCのマウリシオ・スレイマン会長は、ヘイニーが王座を失わないことを明かした。2005年にディエゴ・コラレス(米国)とホセ・ルイス・カスティージョ(メキシコ)の間で争われた世界戦のケースを例に出してヘイニーの王座維持の正当性を訴えたが、複数の米メディアは「事前に発表していないのはおかしい」と疑問を呈している。
試合後の会見でガルシアは、またとんでもない話を暴露した。
「人がオレについて何を言おうと気にしない。オレは火の中を歩き、その火を押さえつけた。毎日、酒を飲んで、それでも奴を殴った」
この話が本当なら前日計量でラッパ飲みをしたのもりんごサイダーではなく本物のビールだったのかもしれないが、米専門サイト「ボクシング・シーン」が面白い裏話を伝えた。
ガルシアは以前から目に余る奇行が問題視されていた。
SNSで陰謀論や地球外生命体の存在の証拠があるなどと投稿。あまりにも情緒が不安定でニューヨーク州のアスレチックコミッションはメンタルヘルスの問題についての診察を要請したほどだった。だが、「ボクシング・シーン」の取材によると別の州の規制当局は、「それが戦いの障害になるとは思っていなかった」と語ったという。
「あのね….彼は演技している」とも明かした。
ヘイニーを挑発するための演技説や、低調だったチケットやPPVの売り上げを伸ばすための宣伝行為だったという説もあったが、やはりすべてが計算だったのか。インスタのフォロワーが1000万人を超えるインフルエンサーだけに演技していたとしてもなんら不思議ではない。途中ヘイニーに打たせてスタミナを温存していた戦略を見ると、減量の影響があったようにも思われたが、後述するウエルター級への転向宣言を聞くと、意図的な体重超過であったことは明白で、そのパワーでヘイニーを圧倒したとすれば許されざる暴挙だろう。