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パリ五輪出場を決めたU-23日本代表だが今日未明のウズベキスタンとの決勝戦の結果が本番でのメダルの行方を左右する。写真はボランチの藤田譲瑠チマ(写真:長田洋平/アフロスポーツ)
パリ五輪出場を決めたU-23日本代表だが今日未明のウズベキスタンとの決勝戦の結果が本番でのメダルの行方を左右する。写真はボランチの藤田譲瑠チマ(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

パリ五輪出場を決めたU-23日本代表がメダル獲得に向けて抱える次なる課題…欧州組の招集交渉とOA枠の人選

 グループDにはヨーロッパ勢がいないが、パラグアイは五輪3連覇を目指したブラジルが敗退した南米予選を1位で通過。マリには3月の国際親善試合(サンガスタジアム by KYOCERA)で、個の力と組織力の両方で後塵を拝して1-3のスコアで完敗した。
 特にヨーロッパ勢が五輪へベストの陣容で臨まないケースが多いため、現時点でグループDとCのどちらが日本にとって優位なのかは一概には断言できない。それでも藤田はチーム全員の思いを代弁するように、フラッシュインタビューでこう語っている。
「パリ五輪の出場権獲得は自分たちにとって最低限の目標だったので、まずはそれを達成できて嬉しく思いますけど、自分たちが狙っているのはアジアの頂点なので」
 決勝を終えて対戦国が定まった後には、パリ五輪世代のベストメンバーを招集する上で、日本サッカー協会(JFA)としての“戦い”が火ぶたを切る。
 国際Aマッチデー期間外の開催となった今大会には、大岩剛監督(51)が望んだすべての選手を招集できたわけではない。国内組は1クラブ最大3人の形で協力体制を得たが、シーズンが佳境に差しかかっている海外クラブ勢の招集は難航した。
 例えば大岩ジャパンの「10番」を背負ってきたMF鈴木唯人(22、ブレンビー)。移籍1年目で10ゴールをあげ、直近の6試合では6ゴール4アシストと絶好調のアタッカーを、同じく国際Aマッチデー期間外の開催となるパリ五輪に招集できるかどうか。
 同じ図式が、2001年6月生まれで実はパリ五輪世代でもあるMF久保建英(22、レアル・ソシエダ)にも当てはまる。ヨーロッパ組に関しては、今夏に新たなクラブへステップアップを果たせば、新シーズンへ向けた準備期間にクラブを長期にわたって離れる状況を余儀なくされる事情もあり、必然的に招集へのハードルも上がってくる。
 同時進行で年齢制限に関係なく、最大3人まで招集できるオーバーエイジの選考も進めなければいけない。大岩監督は昨秋の段階でオーバーエイジ枠の活用を明言。顔ぶれについて「みなさんが期待するような名前は、当然リストにある」と語っている。
 今大会では木村誠二(22、サガン鳥栖)や高井幸大(19、川崎フロンターレ)が奮闘したものの、層の薄さが指摘されてきたセンターバック陣が候補となる可能性が高い。その場合は森保ジャパンの常連である板倉滉(27、ボルシアMG)や左サイドバックにも対応できる左利きの町田浩樹(26、ユニオン・サンジロワーズ)の名前が上がってくる。
 終盤にきて細谷が奮起し、2試合連続ゴールをあげたフォワード陣でもオーバーエイジを活用するとすれば、昨年3月に船出した第2次森保ジャパンで最多の11ゴールをあげている上田綺世(25、フェイエノールト)も候補に挙がってくる。
 いずれにしても、パリ五輪本番の対戦国が定まらないことには何も始まらない。パリ行きを決め、1996年のアトランタ大会から続く五輪連続出場を「8」に伸ばした心境を「ホッとしました」と明かした大岩監督は気持ちも新たに、2年前のAFC・U-23アジアカップ準決勝で0-2と完敗したウズベキスタンにリベンジするための準備を進めていく。

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