え?そこですか?カブスの今永が7回無失点で無傷の5連勝&全米トップ防御率0.78…メジャー歴代4位の記録を作るも米メディアが注目したのは「スパイダーマン」発言
カブスが1日(日本時間2日)敵地で行われたメッツ戦に1-0で勝利。先発した今永昇太(30)が、7回で87球を投げ3安打無失点7奪三振の好投を見せて開幕から無傷の5連勝を飾った。メジャー初の中4日登板で、ストレートの球速は出ていなかったが、絶妙の投球術で得点圏に走者を背負ったのは一度だけ。防御率は0.78となり、勝利数と防御率で両リーグを通じトップに躍り出た。MLB公式サイトによると、すでにメジャー史上初となるキャリア最初の5試合の先発で4勝0敗、防御率1.00未満の投手となっていた今永は、この日で同6戦目までの防御率ランキングの歴代4位に入ったという。そして米メディアが注目したのは、初見参のニューヨークの印象を映画「スパイダーマン」で見た光景に重ねた今永のユーモアだった。
二塁を踏ませたのは一度だけ
今永が初見参のNYでも圧巻のピッチングを披露した。
7回を投げて7つの三振を奪い3安打無失点、メジャーに移籍後初めての中4日登板の影響からか、スタットキャストが弾き出したストレートの平均球速は91.2マイル(146.7キロ)で、通常の球速を下回っていた。だが、相手の裏をかく投球術でゼロ行進を続けさせた。得点圏に走者を背負ったのは、2回一死一、二塁の一度だけ。このピンチも7番のハリソン・ベイダーを外に変化させるスプリットを使って引っかけさせ、ショートの併殺打。今永は天を仰ぎ、胸をポンポンと叩きホッとした笑顔を浮かべた。
4回には先頭打者のジョーイ・ウェンドルに左中間を襲う大飛球を打たれたが、背走したイアン・ハップが、一度グラブに入った打球をお手玉しながらも落とさずキャッチ。味方のファインプレーに助けられ、この回も無失点に切り抜けると、5回には犠飛で待望の1点が入り、今永のピッチングにもギアが入った。
MLB公式サイトによると「速球の球速は落ちていたが、5回以降は正常に戻り、93.4マイル(150.3キロ)を記録した」という。
7回には、先頭の4番ピート・アロンソの今永の右へ飛んだボテボテのゴロを必死で追いかけて捕球すると、倒れ込みながら一塁へトスした。アウトにすると笑顔のサムズアップポーズ。MLB公式サイトによると、カブスのクレイグ・カウンセル監督は、このプレーに感銘を受け「グラウンド全体を意識できているからだ。賢いプレーだった」と絶賛した。
試合は1-0のまま9回まで進んだが、最後の最後にドラマが待ち受けていた。クローザーのエクトル・ネリスが一死二、三塁の一打逆転サヨナラのピンチを招き、ジェフ・マクニールにレフトのライン沿いに、犠飛には十分と見られたフライを打たれた。だが、捕球したハップの素早い返球を途中出場の三塁手ニック・マドリガルが見事にホームへ中継。タッチアップしたアロンソを本塁でアウトにした。メッツベンチは、ミゲル・アマヤ捕手のブロックに「コリジョンではないか?」と抗議して、リプレー検証を求めたが、結果は変わらず、今永は5勝目を手にすることになった。
87球を投げた今永はストライクが58球で15個の空振りと見逃しを奪った。そのうち9個がスプリットで、5個はストレートだった。これで無傷の5連勝。防御率0.78&勝利数は共に両リーグを通じてトップに躍り出た。MLB公式サイトによると、キャリアの最初の6試合での防御率0.78は1981年の0.33のフェルナンド・バレンズエラ、1945年の0.50のデイブ・フェリス、1913年の0.75のボブ・ショーキーに続く歴代4位の記録となったという。
CBSスポーツが「今永が支配を続けた」と速報で報じるなど、その好投を称えたが、全米メディアが注目したのは、今永の試合後のコメントだった。