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阪神・佐藤輝明の痛恨落球が足を引っ張った。SNSでは“2軍に落とせ”の声が殺到する異常事態
阪神・佐藤輝明の痛恨落球が足を引っ張った。SNSでは“2軍に落とせ”の声が殺到する異常事態

“痛恨落球”の阪神佐藤輝明にSNSで虎党から“2軍に落とせ”コール殺到の異常事態…“未完の大砲”は2軍でやり直すべきなのか?

 岡田監督は、昨年6月25日に不振の佐藤を2軍に落とした。6月24日の敵地での横浜DeNA戦でスタメンから外れ、出番がないまま試合後に2軍行きを通告された。岡田監督が佐藤を2軍に行かせた理由は、不振ではなく、スタメン落ちを宣告された後の態度にあった。佐藤は試合前練習のノックにも参加せず、試合中は、ベンチで声も出さずにロッカーに引っ込んでモニターを見ていた。
「こりゃあかん」と感じた岡田監督は、すぐさま2軍落ちを決断した。
「“なんでオレがスタメン落ちなんや”と不満だったのか。それともなんも考えていなかったのか。理由はしらん。途中出場の準備をする前にベンチの前に座って、声を出してスタメンではない選手がチームのために何ができるかを考えなあかんやろ。もちろんプロ野球はアマチュア野球とは違う。ひとりひとりが個人事業主よ。でも個人競技ではない。目標はなんや。アレやろ。タイトルホルダーが何人出ようと、勝たなきゃ、その価値なんかないやん。野球人としてあるべき姿が佐藤には欠けとったんよ」
 岡田監督はプロ野球選手としてのあるべき姿を2軍落ちという荒療治で佐藤に伝えたかったのである。最短10日間で1軍に戻ってきた佐藤は、8、9月と打ちまくりリーグ優勝を加速させる原動力となった。
 では、今佐藤にもう一度、2軍落ちという荒療治を科せば、彼の何かが変わるのか。まだ打率は.209で3本塁打、17打点の数字しか残せていない。この日は2安打を放ち、6回に右中間を破った二塁打から逆転劇につなげたが、ボール球を振るという悪いクセが完全に修正されたわけではない。それでも佐藤は連覇を狙うためには必要な戦力である。3年連続で20本塁打以上をマークした、そのポテンシャルに疑いはない。スランプがないとされる守備で最低限の仕事さえすれば、岡田監督は我慢して起用を続けるだろう。だが、今その最低限の仕事ができていないという危機的状況にあることも確かである。
 ただこの日に限って言えば敗因は佐藤のミスだけではなかった。
8回、岡林に打たれたライトオーバーの二塁打が逆転劇を許す発端となったが、ライトの森下は打球の判断を誤り、一瞬、前へスタートを切っていた。1点差の8回。状況を考えると頭上を抜かれる長打だけは絶対に避けねばならない場面だった。森下の頭の中にその「注意書き」があったのかどうか。捕球できていれば超ファインプレーだったが、森下の守備力からすれば、ベストな動きできていれば、その可能性は十分にあった。

 

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