パリ五輪出場を決めたU-23日本代表がウズベキスタンに負けると“まずい”理由…順位が本番メダルの行方を占う組み分けに反映
気象的および地理的な面からも、決勝でウズベキスタンを破り、アジア王者としてパリ五輪本番のグループDに入る形が、メダル獲りを目指す上で理想的と言っていい。
今大会のウズベキスタンは決勝までの5試合を全勝、総得点14に対して無失点と攻守両面で圧倒的な力を示し準々決勝でサウジアラビアを、準決勝では今大会の台風の目となっていたインドネシアをともに2-0で撃破。同国史上で初めてとなる五輪出場を決め、次は3大会ぶり2度目の優勝へ虎視眈々と狙いを定めている。
ただ、決勝前にRCランス(フランス)に所属するDFアブドゥコディル・クサノフら、主力3人が離脱したとウズベキスタンのメディアが報じた。代表チーム帯同は五輪出場権獲得までと、各所属クラブと取り決めがかわされていたという。戦力ダウンは免れそうもないが、それでも手強い相手である状況に変わりはない。
パリ五輪のメダル獲りを目指し、大岩剛監督(51)のもとで2022年3月に船出したチームは、同年6月に前回のAFC・U-23アジアカップに参戦。準々決勝で韓国に3-0で快勝したものの、続く準決勝で開催国ウズベキスタンに0-2で敗れた。
もっとも、各国が規定通り23歳以下の陣容で臨んでいたのに対して、日本とウズベキスタンはパリ五輪をにらんだ21歳以下の選手でチームを構成していた。当時のチームから、日本は藤田をはじめとする12人が今大会に臨んでいる。
韓国メディアの『Sports Seoul』は準々決勝でインドネシアに敗れ、パリ五輪出場を逃した自国のU-23代表と日本の差を、長期的な計画の有無に帰結させている。
「日本は長い間、パリ五輪へ準備を進めてきた。前回のU-23アジアカップを含めて、2001年1月1月以降に生まれた、パリ五輪の出場資格を有する選手で常にチームを構成してきた。チーム発足時から指揮を執り、この世代の選手の特徴を完璧に把握している大岩剛監督のもと、当然ながら組織の完成度も戦術の浸透度も高い。日本は今大会のグループリーグ最終戦で韓国に敗れながら、パリ五輪出場という目標を達成した。対照的に韓国のファン・ソンホン監督は、チームの指揮を執って1年も経っていなかった」
悔しさをバネにパリ五輪世代が歩んできた約2年間の日々が試され、かつ五輪本番の戦いも左右する大一番は日本時間4日0時30分に、日本が準決勝までの全5試合を戦ってきたジャシム・ビン・ハマド・スタジアムでキックオフを迎える。