ネリに負ける要素がないから?将来構想が浮上…井上尚弥が来年にも5階級制覇を狙いIBF世界フェザー級王者ロペスと対戦?!…世界的プロモーターのボブ・アラムCEOが可能性を示唆
井上に対しては、元WBC、IBF世界ウェルター級王者のシェーン・ポーター(米国)が「ボクシング界で世界最高のスターになりたいのならこっちでの試合が必要だ」と発言し、過去に井上が米国ロス、ラスベガス、英国グラスゴーで世界戦を行っているにもかかわらず、その的外れな海外進出必要論がバズった。
井上が切り拓いた軽量級のマーケットは、日本が世界的に見ても最大なものとなっており、アラムCEOは、「私の視点から言うと日本以外で井上の試合はありえない。馬鹿げている。あれだけの人気と強さを誇る選手は他にいない。日本が世界で軽量級ボクシングの中心になっている。東京ドームの4つの世界戦も軽量級でしょう。井上が日本を出て試合をするのは何のため?」と議論を一蹴したが、サウジ進出が実現すれば、その声も止むだろう。
またアラムCEOは、今後の井上の路線についても言及した。
「あらゆる選手に体格のリミットがあり、力を維持する力も決まってくる。井上にどういう未来が待ち受けているかは、この試合の結果を待ちたい。大橋会長と話したが、年内はスーパーバンタム級でいようという話がある。その後にもしかしたらロペスと対戦するようなことがあるかもしれない」
アラムCEOは、来年にも階級を上げてIBF世界フェザー級王者のロペス(メキシコ)との5階級制覇マッチが行われる可能性を示唆したのだ。ロペスは、超変則の強打者で、3月には指名挑戦者の阿部麗也(KG大和)を8回TKOに沈めている。
ただ井上は、適性階級だと自覚するスーパーバンタム級で、しばらく防衛を続けていく考えを示している。元WBA&IBF世界同級王者で、WBAの指名挑戦権を持つムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)や、IBF&WBO同級1位のサム・グッドマン(豪州)らが対戦に名乗りを上げている。だが一方で彼らを蹴散らした後に井上がモチベーションを維持できる対戦候補が出てくるかは疑問。そうなると新たな強敵を求めて井上がひとつ階級を上げて5階級制覇に挑戦する可能性はあるだろう。実際、スパーリングでは、フェザー級のボクサーを相手にしており、大橋会長も「フェザー級で十分通用する」と太鼓判も押している。
井上の目の前には、数々の夢プランが広がるが、まず“悪童”ネリを東京ドームという大舞台で退治しなければならない。
会見の最後にセッティングされたツーショットの写真撮影が終わると、井上から先に右手を差し出した。ニンマリと笑った井上に対し、ネリは鉄仮面を貫いたが、敬意を表してサングラスは外して短い握手に応じた。今日5日には注目の前日計量が行われる。