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パキパキに仕上がった井上尚弥の肉体。死角など見つからない(写真・山口裕朗)
パキパキに仕上がった井上尚弥の肉体。死角など見つからない(写真・山口裕朗)

今日ゴング!本当に井上尚弥は東京ドームで“悪童”ネリを倒せるのか…陣営が見つけたネリの致命的欠陥と“万に一つ”の死角とは?

 減量の苦しかったネリが甘いものをドカ食いしていたようにリカバリーで大幅に当日の体重を増やしてくる可能性がある。井上がフィニッシュに10ラウンドまでかかった元WBA&IBF世界同級王者のマーロン・タパレス(フィリピン)は、試合当日にスーパーライト級相当まで体重を増やし耐久力をアップさせた。井上はスパーリングでフェザー級のパートナーを相手にしてきたが、ネリがタパレスよりもでかくなって登場すれば、倒すのに苦労するかもしれない。
 ただネリは、今回、時間をかけて計画的に減量を進めてきた。これまでのような直前の水抜きに頼らない手法だったため、計量後のリカバリーで、そこまで体重が戻らないのではないかという説もある。
 真吾トレーナーは「すべて“たられば”の話じゃないですか」と、一蹴した。
「確かに体重を増やすとパンチを吸収してダメージには少しは影響しますね。タパレスがナチュラルの体重増加だったら、もっと早く倒していたかもしれないけれど、マクドネルを見て下さいよ。まったく動けなくなっていた。ネリの場合もでかくしたら、さらにスピードがなくなるんじゃないですか。結局、体重を当日に増やしたボクサーも、ナチュラルで臨んだボクサーも誰も尚弥に何もできていないんで。どっちかってないですよね」
 真吾トレーナーが、例に出したのはバンタム級への初挑戦となった2018年5月のWBA世界バンタム級王者、ジェイミー・マクドネル(英国)との試合だ。マクドネルは計量に1時間も遅れてくるなど減量に苦しんだが、試合当日に10キロ以上増量していた。だが、井上のスピードについていけず、わずか112秒で秒殺TKOした。
 では、万が一の死角は、井上にないのだろうか?
 飯田氏は「死角はありません。あえて粗探しをすれば」とした上で両者のメンタリティの違いが及ぼす影響を、その一つにあげた。ネリは米専門サイト「ボクシング・シーン」のインタビューで「オレは何も失うものがない。井上はオレに勝っても何も得るものはない。むしろ失うものばかりだ。井上はこの試合を受けるべきではなかったと思う」と語っていた。
「何も失うものがないネリが、腹をくくって前へ来て、巻き込まれたときの怖さは残る。そういうメンタリティのボクサーは打たれ強さもアップする。ただ井上選手が冷静さを失うことは考え辛い。ネリが玉砕覚悟できてもサプライズは起こらないでしょう」
 計量後の囲み取材で井上は、その影響を完全否定した。
「背負うものがある、ない人間の差はないと思う。ネリに失うものがないから強いのかっていうと、別にそうではない。自分にはベルトが4本あり、何もかけていないネリの気持ちの方がどうかと言ったら、そこがこの試合に出ていたりすることはまったくない」
 井上はキャリアを重ねる中で何にも動じないメンタルコントロールができるようになっている。我を失い、防御を忘れて、ただ殴り合いに応じることなど絶対にないだろう。

 

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