• HOME
  • 記事
  • 格闘技
  • 「井上尚弥に勝つ方法はわかっている」井上の9月の対戦候補IBF&WBO世界1位の“刺客”グッドマンが豪語
次戦の対戦候補グッドマン(左)はネリ戦後にリング上で井上と握手した(写真・山口裕朗)
次戦の対戦候補グッドマン(左)はネリ戦後にリング上で井上と握手した(写真・山口裕朗)

「井上尚弥に勝つ方法はわかっている」井上の9月の対戦候補IBF&WBO世界1位の“刺客”グッドマンが豪語

 東京ドームを埋めた4万3000人の大観衆にいくつものサプライズが用意されていた。
 最大のサプライズは井上がオープニングラウンドに喫したプロアマ通じて初のダウンだろう。至近距離から左アッパーを叩き込んだ直後に無防備になっていた顔面にネリの左フックを食らった。だが「ダメージはさほどなかった。パンチの軌道が読めなかった。2ラウンド目からポイントを計算していこうかと冷静に戦うことができた」と振り返ったように、2ラウンドからガードを固めてジャブ、ワンツーを軸にした堅実なスタイルに切り替えた。
 2ラウンドに対ネリに準備していたカウンターの左フックが炸裂してダウンを奪い返し、5ラウンドには、わざとロープを背にして誘いをかけて、また左フックで2度目のダウン。もう青息吐息だったネリを6ラウンドに右ストレートで沈めた。
 そして試合後にもうひとつのサプライズが用意されていた。9月に予定されている次戦の対戦候補のグッドマンが豪州から来場してリングに登場。井上が「次戦、9月頃、隣にいるサム・グッドマンと防衛戦をこれから交渉していきたいと思う」と呼びかけるとグッドマンは「自分もベルトが欲しくてここまで戦ってきた。絶対にやりましょう」と応じたのである。
「ここで見るべきものを十分に目にした。井上が素晴らしいボクサーであることはわかったが、いくつかのミスをしたし、弱点も見せた」
 目の前でモンスターの劇的な勝利を見せられたグッドマンは、リスペクトを忘れていなかったが、オープニングラウンドでネリに許したダウンシーンに感じるものがあったのだろう。
「井上に勝つ方法はわかっている。間違いなく自信がある。オレは戦いに向かうすべての試合で自信を持っているんだ」
 ネリも試合前に同じようなことを言っていたので、その言葉に説得力があるわけではない。だが、グッドマンは不気味なほど静かな口調ですでに戦略が整っていることを明かしたのである。

 

関連記事一覧