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井上尚弥からダウンを奪うも6回TKO負けしたネリが負け惜しみ(写真・山口裕朗)
井上尚弥からダウンを奪うも6回TKO負けしたネリが負け惜しみ(写真・山口裕朗)

まだそれ言うか?「井上尚弥はそれほど強くなかった。世界最高の選手ではない」東京ドーム決戦でダウン奪うも6回TKO負けしたネリが“悪童”に戻って米記者に負け惜しみ…一方のモンスターは?

 一方の井上も、この日の一夜明け会見でネリについて、こういう感想を口にした。
「すべてが想定内。もっとパワーがあるのかなと思ったが。1ラウンド目の目ダウンは死角から入ってきて見えなかったパンチ。誤算があるとすれば、その角度調整のミス。やりやすさ、やりにくさも踏まえても、一番手ごわいとは言えないのかなと。戦う前から隙がすごく多いなという印象があり、その通りのイメージだった」
 そしてメディアを通じて「ダウンシーンを切り取ったのがXを開くたびに流れてくるのでやめて欲しい。ダウンの仕方もちょっとださいし」と異例のお願いをして会見を爆笑に包んだ。ダウンはあったが内容的には完勝だった。井上の言葉に誇張などない。
 ただ減量の厳しいネリが、今後フェザー級に戦いの場を移すとなると再戦の可能性はなきにしもあらずだ。9月に関東圏内で予定されている井上の次戦の相手は、IBF&WBOのスーパーバンタム級1位のサム・グッドマン(豪州)との指名試合。「年間3試合はやりたい」との井上の希望を受け入れる形で、12月にも試合が予定されているが、ここもWBAの1位で元WBA&IBF王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との指名試合になる予定。井上は、しばらくスーパーバンタム級に留まりたい意向を示しているが、4団体王者の宿命として指名試合ばかりに追いやられることになる。強い相手ならいいが、魅力の感じない1位ならばモチベーションを保つことが難しくなる。大橋会長は「その場合は、どれかを返上してもいい」という考えだが、戦う相手がいなくなるとフェザー級転級が現実味を帯びてくる。大橋会長は「今すぐにでもフェザー級で通用する。パンチ力はもちろんのこと上にいけばいくほど井上のスピードがアドバンテージになる」との考え。過去に、井上が再戦をしたのは、元5階級制覇王者のノニト・ドネア(フィリピン)だけ。それもドネアが、WBC世界バンタム級王座に返り咲き、再挑戦の資格を得たため、4つのベルトをまとめたかった井上が応じたものだ。
 ネリとの再戦の実現は、井上がフェザー級に転級するタイミングで、どこかの団体の王者であることが必須条件になるだろう。もし井上がフェザー級に挑戦する場合、世界初の3階級4団体統一が目標となるのだから、ネリが王者でいる限り再戦はありえる。ネリがディフェンス技術を劇的に進化させない限り、とても勝負にならないだろうが、奇しくも試合後に起きた“舌戦”は、その日に備えての前哨戦なのかもしれない。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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