なぜ鎌田大地はラツィオ退団から一転残留に方針転換をしようとしているのか…契約延長は1年に留める方向
セリエAのラツィオを、今シーズン限りで退団すると見られていた元日本代表MF鎌田大地(27)が一転して残留する可能性が高まったことを複数のイタリアメディアが7日までに報じた。マウリツィオ・サッリ前監督(65)のもとで出場機会を失っていた鎌田は、イゴール・トゥドール新監督(46)が就任した3月以降に復権。6試合連続で先発している状況を受けて、3年の延長オプションのうち1年だけを行使する方針に切り替えたという。
ユベントスが動向に注目していたが…
わずか1年でのラツィオ退団が確実視されていた鎌田が、一転して残留する希望を持っていると複数のイタリアメディアが7日までに報じた。
まずは移籍情報に精通していて、3月には「鎌田が退団する意思をラツィオに伝えた」と報じた『calciomercato.com』が、鎌田を巡る状況の変化を伝えた。
「ラツィオにおける鎌田大地の将来は、この数週間でシナリオがガラリと変わった。サッリ前監督に率いられたチームで実質的な構想外だった日本人MFは、トゥドール監督の就任とともに、チームの新たなプロジェクトの中心に位置づけられている」
3月30日のユベントス戦から指揮を執るクロアチア出身のトゥドール監督は、システムを前任者の[4-3-3]から[3-4-2-1]へ変更。ダブルボランチの一角として鎌田を6試合連続で先発起用し、そのうち4試合でフル出場させている。
今年に入ってからわずか104分だった鎌田のプレー時間は、新体制下で505分へ激増。4月19日のジェノア戦では、昨年9月のユベントス戦以来となるアシストも記録した。ラツィオにおける立ち位置の変化が、鎌田の心境も変えたと同メディアは続けた。
「ラツィオとの契約は6月末で満了を迎えるが、鎌田にはクラブとの関係をさらに3年間も延長できるオプションがある。しかし、昨年夏にアイントラハト・フランクフルトからフリートランスファーで加入した彼は、別の形でビアンコチェレスティ(ラツィオの愛称)に逆プロポーズするようだ。それは将来的な選択を来年夏まで先延ばしして、まずはトゥドール監督の指導のもとで引き続きプレーしながら再出発を図るものだ」
サッリ前監督のもとでも、鎌田は今シーズンの開幕戦から4試合続けて先発。王者ナポリとの第3節では移籍後初ゴールを決めて、ラツィオを初勝利に導いた。
しかし、鎌田がアシストを決めた前述のユベントス戦を含めて、ラツィオは他の3試合ですべて敗れた。スタートダッシュに失敗した苦境から巻き返すために、サッリ前監督はそれまでインサイドハーフを任せていた鎌田を第5節からリザーブへ回した。
2016-17シーズンからラツィオの中盤に君臨する大黒柱、ルイス・アルベルト(31)との共存は、中盤の守備を考えたときにありえないと判断された。森保ジャパンに招集され、昨年11月に帰国した鎌田は、ラツィオで直面する苦境にこう言及していた。
「監督の戦術や言語はそれほど大きな問題ではない。僕の絶対的な実力が足りないのに加えて、ポジションもいまは右のインサイドハーフではなく、左でルイス・アルベルトか僕の選択になっている。そのポジション争いで勝つのが一番難しい」