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五輪で3つのメダル、世界選手権では日本人初の連覇を果たした宇野昌磨が引退会見を開く
五輪で3つのメダル、世界選手権では日本人初の連覇を果たした宇野昌磨が引退会見を開く

なぜフィギュア世界3位の宇野昌磨は2年後の五輪を前に引退を決断したのか…憧れの羽生結弦氏の引退で見失った目標

 宇野が引退する男子フィギュアスケート界は、3月の世界選手権を逆転で初めて制した4回転アクセルの申し子、イリア・マリニン(19、アメリカ)を中心に回っていく。2026年のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪へ。最新の世界ランキングで3位につけ、トップ選手に位置づけられる状況で未練はないのか。こう問われた宇野は即答した。
「正直、まったくないです。これから自由にスケートをやれることの嬉しさとともに、昔の映像などを振り返ってみても、ここまで毎日、同じことを積み上げられたのは、自分をあまり褒めちぎりたくはないけど、よく頑張った、素晴らしいことを成し遂げられたと思うので」
 名古屋スポーツセンターでスケート教室に参加した5歳のときに、他にスピードスケートとアイスホッケーの選択肢があったなかで、偶然居合わせた浅田真央さん(33)に「一緒にやろうよ」と声をかけられてフィギュアスケートを始めた。
 2006年12月の全日本選手権で、高橋大輔氏(38)のフリースケーティング「オペラ座の怪人」を間近で見て本格的に競技者を志した宇野は10年後、ISU公認大会初の4回転フリップを成功させた選手としてギネス世界記録に認定された。
 羽生氏やチェン氏の背中を無我夢中で追いかけ、フィギュアスケートの歴史にさん然と輝く足跡を刻んで競技者から卒業する宇野は今年8月、大人気アニメ「ONE PIECE」シリーズをアイスショー化した「ワンピース・オン・アイス」で、主人公のモンキー・D・ルフィ役を担い、交際中の本田真凜さん(22)と共演することがすでに決まっている。
(文責・藤江直人/スポーツライター)

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