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オークスを制したのは桜花賞で惨敗していたチェルヴィニア(写真・東京スポーツ/アフロ)
オークスを制したのは桜花賞で惨敗していたチェルヴィニア(写真・東京スポーツ/アフロ)

なぜ競馬ファンは桜花賞惨敗のチェルヴィニアのオークスでの逆転ドラマを見抜いていたのか…不思議な2番人気と名手ルメールの選択…日本ダービーで再び名コンビが挑む

 ただファンは、チェルヴィニアの能力の高さを見抜いていた。
 SNSやネットで「ファンは良く知っている」と話題になったが、桜花賞惨敗のチェルヴィニアが2番人気に支持され、単勝払い戻しは460円だった。
 世代の有力候補に名乗り出たのが10月のアルテミスステークス。2歳時に東京芝マイル戦を1分33秒6で走破した。これはグランアレグリア、サリオスなど過去のGⅠ馬に匹敵する内容で大物感たっぷりの走りだった。ただ、2歳女王を決める12月の阪神ジュベナイルフィリーズを前にして歯車が狂い始めた。左トモの違和感により、このレースを回避することになったのである。ちなみにパートナーがいなくなったルメールは、ステレンボッシュに騎乗し、2着に導いている。しかし、ルメールは、春のクラシックでは、チェルヴィニアの能力を最上位と評価していた。数々の騎乗依頼がある中で、この馬と桜花賞、オークスとコンビを組むことを昨秋の時点で決めていたという。
 ただ、ルメールはドバイ遠征で骨折の怪我を負い、桜花賞では騎乗できなかった。
チェルヴィニアは栗東に滞在し、好時計をマークしていたものの、5か月半の長期ブランクが響き、仕上がりもまだ途上段階だった。手綱を取ったのはムルザバエフで、しかも大外の18番枠を引き、ハイペースの中で好位につけたことで脚をためることができず、本来の末脚を生かせなかった。さらに直線では2度挟まれる不利もあり4番人気でまさかの13着に沈んだ。

 しかし、逆転へのシナリオは着実に進んでいた。ルメールの奇跡的な復活に合わせるかのようにチェルヴィニアも本来の調子を取り戻す。最終追い切りでは、ウッドコースで意欲的な3頭併せの真ん中。両サイドからプレッシャーをかけられる中、追われると瞬時に抜け出し、スタンバイを完了させていた。
 木村調教師は立て直しに向けて「コンディション調整の面で、私自身が上手く見抜けなかったと反省しきりというレースでした」と桜花賞の敗因を分析。「いいパフォーマンスをしてくれていた2歳当時のものを取り戻すことを課題に取り組んだ。今週の追い切りもアグレッシブにやり、馬はポジティブな気持ちで調教に取り組めている。しっかりと実戦を想定した追い切りができ、いい時のフットワークに戻った感じ」と手応えをつかんでいた。

 

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