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レアル・マドリードのトニ・クロースがドイツ代表として出場するEORO2024を最後に引退することを電撃発表(写真・AP/アフロ)
レアル・マドリードのトニ・クロースがドイツ代表として出場するEORO2024を最後に引退することを電撃発表(写真・AP/アフロ)

なぜクロースは絶頂期の34歳での電撃引退を決断したのか…ドイツ代表として戦うユーロ2024が最後の舞台

「そして、ここ数日でこの素晴らしいシーズンを、レアル・マドリードでの10年目のシーズンを最後にする結論に達した。ここ数年の僕の発言を注意深く聞いてきた方は、レアル・マドリードでキャリアを終えるのが唯一の選択肢だとわかっているはずだ。しかし、僕はいま、自分が今回の決断を伝えるよりも長く考えている方がずっと簡単だと実感している。この場に座りながら鳥肌が立つような経験は人生でも特別なものだ。私のようにサッカーが人生の中心にあった人間であればなおさらだ。決断を下したいま、一方でとても嬉しく、もう一方でとても悲しいという気持ちを理解できるようになった」
 シーズンが終わりに近づくにつれて、レアル・マドリードのサポーターもレジェンドの去就に敏感になり始めた。本拠地サンティアゴ・ベルナベウでの直近の試合となった14日のアラベスとのラ・リーガ1部第36節でも、先発して72分間プレーしたクロースに対して「トニ、残ってくれ」の大合唱が連呼されている。
 レアル・マドリードは現地時間25日に、サンティアゴ・ベルナベウでレアル・ベティスとの最終節に臨む。スペイン紙の『MARCA』はサポーターの存在が、最終節を4日後に控えた段階での引退表明につながったと伝えている。
「クロースは加入した当初から彼を慕い続け、今シーズンも彼の契約更新を何度も求めてきたサポーターたちに別れを告げずには去りたくはなかったようだ。土曜日のベティス戦はレアル・マドリードの歴史上で最高のミッドフィルダーの一人であり、間違いなく伝説として語り継がれていくクロースへのオマージュで染められるだろう」
 レアル・マドリードのフロレンティーノ・ペレス会長(77)も、クラブの公式HP上で「トニ・クロースはレアル・マドリード史上で最も偉大な選手の一人であり、このクラブはいまも、そしてこれからも彼のホームである」と最大級の賛辞を贈った。
 さらに公式HPにはクラブの総意として、こんな言葉が綴られている。
「トニ・クロースは素晴らしいプレーで私たちにすべてを捧げ、常にレアル・マドリードの価値観を体現した選手として、すべてのマドリディスタの心に永遠に残る。私たちは人生の新たなステージにおける彼と、彼の家族の幸運を祈っている」
 レアル・マドリードでは、10シーズンで公式戦463試合に出場して28ゴール、98アシストをマーク。4度のチャンピオンズリーグ制覇と、今シーズンを含めて4度のラ・リーガ1部優勝など、トータルで22個のタイトル獲得に貢献した。
 不振からの巻き返しを期すユリアン・ナーゲルスマン監督(36)に強く求められ、今年3月に約3年ぶりに復帰したドイツ代表では、通算108試合に出場して17ゴールをマーク。2014年のW杯ブラジル大会制覇の原動力になった。
 レアル・マドリードでの公式戦出場を465試合に伸ばしてタイトルをひとつ上乗せし、ドイツ代表として決勝まで最大7試合を戦うユーロ2024で自身初のヨーロッパ制覇を狙う。至高のフィナーレへのカウントダウンが始まろうとしている。

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