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元世界王者の比嘉大吾がWBO世界バンタム級1位にランクイン。同世界王者の武居由樹への指名挑戦者として急浮上したのだが…(写真・山口裕朗)
元世界王者の比嘉大吾がWBO世界バンタム級1位にランクイン。同世界王者の武居由樹への指名挑戦者として急浮上したのだが…(写真・山口裕朗)

バンタム級戦線に異変?!WBO王者の武居由樹vs比嘉大吾の好カードは実現するのか…比嘉が指名挑戦者に急浮上も先に7月7日WBC挑戦者決定戦が内定の“大人の事情”が…

 ただ中谷は7月20日に予定している次戦で同級1位のビンセント・アストロラビオ(フィリピン)との指名試合を行うため比嘉に順番が回ってくるのは2戦以上先になる。
 陣営も比嘉もそれは百も承知でバンタム級における評価を上げて他団体王者への挑戦の機会を高める意味もあって今回のマッチメイクを組んだ。その世界挑戦機会が、いきなり巡ってくるとなると挑戦者決定戦よりも、武居への挑戦を優先したいのが本音だろう。
 だが、話は少々複雑だ。武居の防衛戦は9月。もし世界戦を優先するのであれば、7月のペッチとのWBC挑戦者決定戦はキャンセルしなければならない。すでに交渉をまとめているだけにキャンセルとなると違約金などが発生することになる。ガバリョの敗戦によって、突如、降って湧いたチャンスを素直に歓迎できない“大人の事情”があるのだ。
 比嘉はWBC世界フライ級王者時代に体重超過の失態を犯して王座から陥落し、JBCから無期限のライセンス停止処分を受けた。その後、処分を解かれると階級を上げて再起したが、3年前に現IBF世界同級王者の西田凌佑(六島)に判定で敗れトップ戦線から脱落した。その後、スランプを脱出。昨年の大晦日には、井岡のセミファイナルで世界戦経験があるWBC同級5位のナワポン・カイカンハ(タイ)を4回に強烈な左ボディでキャンバスに沈めた。
 ステップワークやコンビネーションブローという新境地も披露し、「まだ(中谷潤人、WBA世界同級王者の井上拓真との)差は埋まっていないかもしれないが、試合内容としては面白い試合だったと思う。世界戦は一発勝負の世界。結果がすべて。自分で相手を選ぶ権利はないが、今日の試合みたいにパンチを振っていれば、逆転の可能性はある。あとは運と練習」との意気込みを口にしていた。
 4人の王者のうち西田にはリベンジを果たしたいという因縁があるが、比嘉陣営が相性も含めて最も戦いたい相手は武居だという。
 また対戦を準備しているペッチも武居と同じサウスポー。タイプは違うがここまでのサウスポー対策も無駄にはならない。果たしてWBOはどんな指令を下すのか。そして指名試合が指令された場合に武居、比嘉の両陣営はどんな選択をするのだろうか。武居vs比嘉という屈指のパンチャーの激突はKO決着必至の好カードなのだが…。
(文責・本郷陽一/RONPO、スポーツタイムズ通信社)

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