なぜ巨人の戸郷は“ひょい投げ投法”で甲子園でのノーノーを達成できたのか…SNSでは及川の投ゴロのエラー判定を巡り論争起きる
1回は珍しく近本、中野、森下が三者連続でセンターフライ。3回二死までのアウトがすべてフライアウト。打者29人に対してフライアウトが13、ゴロアウトが7、三振が5というスタッツだった。
「フォームにまったく力感がなく、ひょいっと投げる。あの投法でボールが手元でキレてくるので差し込まれてフライが増えた」とは前出の評論家の分析だ。
巨人の投手陣のリーダー、菅野は「戸郷のキャッチボールは銭が取れる」と賞賛する。この日も、試合前に甲子園のセンターの定位置から右中間寄りの位置からレフトのファウルグラウンドにいる捕手を相手に素晴らしい遠投を披露していた。投手だから地肩が強いのは、当然だが、プロが見ても惚れ惚れするほとのスピードと球質で100メートル近くを楽々と投げる。この日のマックスは152キロだったが、このポテンシャルが戸郷の「ひょい投げ投法」の背景にある。
運にも恵まれた。3回二死から及川のボテボテのゴロをマウンドを駆け下りて処理した戸郷の一塁への送球がそれた。内野安打か、エラーか、微妙なプレーだったが、記録はエラーと判定された。5回にも糸原の一塁の左を襲うゴロを岡本がグラブに当ててファンブル。あわてて一塁をカバーした戸郷へトスしたが、これも内野安打ではなくエラーと判定された。SNSやネット上では、この2つの判定、とくに及川の投手ゴロを巡っては、賛否が巻き起こった。
「糸原のはエラーと思うけど、及川のやつは普通にヒットやろ」
「記録員がちゃんとみてたら両方エラー」
「大谷みたいに後日訂正で内野安打にならないか?」
一方で巨人ファンからは「阪神ファンは普段から派手なエラーばっかり見てるから微妙なエラーをエラーと認められない体(質)になってしまったんだよね」という声や「記録は運も引き寄せる。 ヒットぽいのがエラーになったり、いい当たりが野手の正面をついたりするもの」という冷静な分析もあった。
9回一死二塁から近本の強烈なライナーも岡本の正面をついた。前出るの評論家は、「糸原のは岡本のエラー。及川の判定は確かに微妙だったが、いい送球であればタイミングはアウトだったように思えた」という意見。ファンの声のように戸郷には運を引き寄せる強さがあったのだろう。