今日ダービー!無敗の“大本命”皐月賞馬ジャスティンミラノに死角はないのか…この10年で1番人気馬の勝利は2回だけ
競馬の祭典、第91回日本ダービー(G1、芝2400メートル)が今日26日、東京競馬場で行われる。大本命は前売りオッズで単勝2.6倍の1番人気に支持されている無敗の皐月賞馬ジャスティンミラノ(牡3、友道)だ。現役最多3勝の”ダービー請負人”友道康夫調教師(60)とのコンビで東京優駿に挑むジャスティンミラノに本当に死角はないのか。本命馬の2冠を阻止する可能性があるとすればどの馬なのか。
父子3代の血統ドラマ
「ダービー馬はダービー馬から生まれる」との格言がある。
今年で91回目を数える日本ダービーには、初の父子3代制覇という壮大な”血統ドラマ”が待っている。出走17頭中、実に8頭がその対象だ。まず”英雄”ディープインパクト産駒で2013年のダービー馬キズナの産駒は、ジャスティンミラノなど5頭。”大王”キングカメハメハの子どもで2015年の覇者ドゥラメンテの産駒がシュガークンなど2頭、そして同じくキンカメ産駒で2017年の勝ち馬レイデオロの産駒が1頭という布陣だ。
その中でガチガチの本命馬が無敗で皐月賞を圧勝したジャスティンミラノである。小回りの中山、右回り、予想されるハイペース、多頭数などが未経験で不安要素が先立った。だが、超ハイペースの持久戦をアルアインが持っていた従来のレコードをコンマ7秒も上回る1分57秒1の驚異的なレコードで制し、前年のソールオリエンスに続き、史上21頭目となる無敗の皐月賞馬に輝いたのである。
これまでの走りを分析すると異能の才に恵まれたサラブレッドであることは疑いようがない。昨年11月の東京芝2000メートルの新馬戦を秀逸な内容でデビュー勝ち。3か月の休養を経て挑んだ今年2月の共同通信杯では好位から昨年の最優秀2歳牡馬に輝いたジャンタルマンタル以下を完封してしまった。
さらにジャスティンミラノを送り出すのは2016年のマカヒキ、2018年ワグネリアン、2022年ドウデュースで、ダービー現役最多の3勝をあげた友道康夫調教師。仕上げに関しては抜かりはない。2009年には、皐月賞馬アンライバルドで挑み、1番人気に支持されながらも、どろんこ不良馬場の影響で12着と惨敗したが、その後はダービーを勝つノウハウと厩舎力を蓄えてきた。陣営はリラックスムードで、1週前に皐月賞にならってハードな追い切りを消化した。
最終追い切りは栗東の坂路コースで800メートル54秒2、ラスト200メートル12秒1と予定通りのメニューをこなし、共同記者会見に臨んだ友道調教師は「指示通りの時計。疲れもすぐに抜け、思い通りの調整ができた。成長力があるし、いいポジションにつけられるのが大きな強み。初めての親子3代制覇を決めたい」と笑顔で締めくくった。
プラス10キロで皐月賞に出走したことも調整に余裕を持たせている。
レースセンスがあり、好位のポジションを確保できる点も強み。心配された枠順も7枠15番に決定。揉まれる心配もなくなった。ゲートの番号こそ違うもののデビューからすべて7枠というラッキーナンバーで黄色に赤十字襷の勝負服にもマッチしている。このあたりも運の強さではないか。
コンビを組む戸崎圭太騎手も「距離は心配していない。康太騎手とともに戦いたい」と、この馬の仕上げに携わり、志半ばで亡くなった藤岡康太騎手に2冠を届けるつもりだ。
では本当に無敗の皐月賞馬に死角はないのか。