今日ダービー!無敗の“大本命”皐月賞馬ジャスティンミラノに死角はないのか…この10年で1番人気馬の勝利は2回だけ
データ的にはジャスティンミラノが敗れる材料がないわけではない。
ダービーは皐月賞から400メートルしか距離が延びないため、800メートルの差がある桜花賞→オークスとは違い、皐月賞組がより幅をきかせている。実際、過去10年の勝ち馬のうち実に8頭までもが皐月賞組だ。だが、一方で過去10年で1番人気馬の勝利は2回だけ。2着3回、3着2回と、馬券にはかなりの確率で絡んでいるが、簡単に勝たせてくれないのもダービーである。皐月賞馬として1番人気で臨んだ馬も、昨年のソールオリエンスを含め7頭いたが、勝ったのは2015年のドゥラメンテと2020年の“三冠馬”コントレイルの2頭だけだった。
またキズナは、ディープインパクトの優良後継種牡馬ながら産駒が東京芝2400メートルで勝ったのは2020年が最後で、このコースとの相性が悪い。安田記念を連覇したソングラインなど血統的にマイル寄りにシフトしている傾向がある。コンビを組む戸崎騎手も、ここの舞台でのGⅠは未勝利。ダービーも過去9回挑み、エポカドーロ、ダノンキングリーによる2度の2着が最高着順となっている。
皐月賞がハイペースで決着した場合にもダービーは高い壁となっている。過去に1分57秒台で皐月賞を制した馬は、ディーマジェスティとアルアインの2頭がいたが、前者が3着で後者が5着。1分58秒台では、ダイワメジャーなど5頭がおり、勝ったのは、能力が断然抜けていたドゥラメンテだけ。高速決着の反動に加え、距離適性の問題を露呈したのだ。
またライバル馬の存在もある。
ダービー2勝の矢作芳人調教師が送り込む世界的良血馬の外国産馬シンエンペラーがその筆頭。”静”の友道調教師に対し、”動”のイメージの矢作調教師だが、そこは世界を股にかけて活躍する厩舎だけあって、大一番に向け態勢を整えてきた。
「皐月賞はコメントで察してくれたかもしれませんが、状態はもうひとつだった。今度は違う。1週前は超抜だったし、活気があって馬が弾んでいる」
キズナ産駒では3戦無敗のシックスペンスも怖い存在だ。スプリングステークス圧勝からの直行。現役最多1075勝の国枝栄調教師が悲願のダービー制覇に向け、この勝負手に自信ありげだった。
牝馬ながらにホープフルステークスを制し、皐月賞で1番人気に支持されながら6着に沈んだレガレイラも巻き返し可能な実力馬だ。
管理するのは桜花賞で惨敗したチェルヴィニアを立て直してオークスでリベンジを果たした勝った木村哲也厩舎。同じコンビを組むクリストフ・ルメール騎手は「もう一度同じ年にオークスとダービーを勝ちたい。そのチャンスはある」とリベンジの再現を狙っている。さらに東京向きの皐月賞4着馬アーバンシックも対抗馬に加えたい。
ジャスティンミラノが皐月賞、ダービーの2冠を達成するのか。それとも伏兵が東京競馬場をどよめかすのか。運命のファンファーレが近づいている。