西武が衝撃の監督人事!「監督の途中交代によるプラス材料は見えてこない」松井監督の途中休養→渡辺GM兼任代行は巻き返しの“起爆剤”となるのか?
パ・リーグの野球の詳しい元阪神、ダイエー(現ソフトバンク)、ヤクルトでプレーした評論家の池田親興氏は「球団が決めた方針に外野がとやかく言うことはできない」とした上で、今回の電撃人事に、こんな見解を示した。
「監督を変えることで空気を変えてなんとかしたいという球団の意図は理解できるが、正直、このタイミングでの監督休養には驚いた。そもそも戦える戦力が揃っていたとは思えない。期待していた2人の新外国人野手が戦力にならず、若手も伸び悩み得点力がなさすぎる。野手に関していえばバックアップメンバーも薄い。リーグ屈指の先発が揃っているが、点が取れないのでブルペンも疲弊して、そこの数字も落ちた。守り勝つしかないチーム編成の中で、ここは誤算の部分だろう。確かに延長戦や接戦に弱く采配が変わることで、多少の勝ち負けに違いは出てくるのかもしれないが、決して優勝争いに加われる戦力ではない。だからこそ編成の責任者だった渡辺氏が現場で指揮を執るのかもしれないが、監督交代で何が変わるのか。厳しい意見だがプラス材料は見えてこない」
エースとして期待した高橋光成が出遅れたが、今井達也、平良海馬、隅田知一郎、松本航に、ドラフト1位の左腕の武内夏暉も戦力となり、先発の陣容はリーグ屈指。先発防御率もリーグ2位の2.61をマークしている。だが一方で救援防御率はリーグ最低の4.87。ソフトバンクにFA移籍した山川穂高の人的補償で甲斐野央を補強したが、途中離脱するなど、ストッパーのアブレイユにつなぐまでのブルペン陣が崩壊した。
そして問題は、リーグワーストのチーム打率.214、得点118の打線。援護率は2.48で首位を独走しているソフトバンクの4.70に比べると大きな違い。特に2人の新外国人が期待を裏切ったことが響いた。アギラーは、打率204、2本塁打、10打点、コルデロは打率.176、1本塁打、3打点で、怪我などもあり現在は2軍落ちしている。物足りなかったが、まだ打率.259、15本塁打、50打点のマキノンを残留させた方がましだったのかもしれない。昨年のシーズン序盤から不祥事による謹慎で試合に出ていなかった山川の穴を埋めることを1年かけてもできず、松井監督は打順をとっかえひっかえ動かしたが、得点力のアップにはつながらなかった。蛭間拓哉、渡部健人、長谷川信哉らの若手も伸び悩み、松井監督が打ち出した機動力も生かすことができなかった。
相手の隙を突いて走者を進め、タイムリーヒットなしで1点をもぎとる野球や、逆に高い守備力で1点を防ぎにいくような、西武が伝統的としてきた“やらしい野球”が影を潜めていたことも確か。そこには松井前監督の指導力不足があったのかもしれないが、そもそも外国人依存のチーム編成に問題があり、その編成責任者だった渡辺GMが責任を取らずに兼任監督を務めるのもどこか矛盾した話だ。