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井上尚弥の9月の防衛戦相手がグッドマン(左)からドヘニー(右)に変更へ(写真・山口裕朗/AAP/アフロ)(写真・山口裕朗)
井上尚弥の9月の防衛戦相手がグッドマン(左)からドヘニー(右)に変更へ(写真・山口裕朗/AAP/アフロ)(写真・山口裕朗)

敵前逃亡?!井上尚弥の9月防衛戦相手がグッドマンから元世界王者ドヘニーに変更へ…理解し難い事態が起きた裏事情とは?

 前出の「フォックス・スポーツ」は、井上陣営の共同プロモーターであるトップランク社のボブ・アラムCEOの「井上の9月の対戦相手はTJ・ドヘニーになるかもしれない。たとえドヘニーが先に戦うとしても、グッドマンは今年中に井上と戦うだろう。年末にサウジアラビアのリヤドで戦うことになるだろう」というコメントを引用。9月の井上の防衛戦の代役候補としてドヘニーが濃厚であることを明かし、井上が防衛に成功した場合、12月にサウジアラビア開催のイベントにモンスターが登場し、そこでグッドマンに挑戦チャンスが巡ってくる可能性があることを報じた。
 同メディアは、「陣営はグッドマンがパウンド・フォー・パウンドで地上最強のファイターと称されるまでになった大スターを打ち負かすスキルを持っていると確信している」とも伝えた。
 ただ今回王者側の対戦オファーを断ったグッドマンが、指名挑戦権を剥奪される可能性もあり、またWBAの指名挑戦権を持つアフマダリエフも順番待ちをしており、そう都合よく事は運ばないだろう。グッドマンは18戦無敗の成長株だが、パンチ力や魅力的なスキルがあるわけではなく世界的な評価を得ているボクサーではない。
 日本での知名度とKO率で言えばドヘニーがグッドマンより上だ。
 ドヘニーは東京ドーム大会のオープニングマッチにネリが体重超過した場合のリザーブ選手として登場、ブリル・バヨゴス(フィリピン)を4回TKOに沈めた。サウスポーで真っ向打ち合う超好戦的スタイル。26勝(20KO)4敗の戦績と、ムキムキの肉体が示す通りに、この階級では屈指のパワーがある。
 6年前に後楽園ホールでIBF世界同級王者だった岩佐亮佑に挑戦して3-0判定で勝利し世界王座を奪取。初防衛戦ではニューヨークで高橋竜平を11回TKOで下している。その後、WBA世界同級王者のダニエル・ローマン(米国)との統一戦に僅差で判定負けを喫してベルトを失ったが、昨年6月には井上のジムの後輩で当時WBOアジアパシフィック同級王者で現在OPBF東洋太平洋同級王者の中嶋一輝に挑戦して4回TKO勝利している。 ただ前述したようにその中嶋戦の前の3月に豪州に乗り込みIBFインターコンチネンタル&WBOオリエンタルス―パーバンタム級タイトルマッチとして、2冠王者のグッドマンに挑戦、3回にカウンターの左フックを浴びてダウンを喫し、ジャッジの1人がフルマークをつける大差の0-3判定で敗れている。
 ドヘニーは井上戦に向けて母国の専門メディア「アイリッシュ・ボクシング」の取材に応じて「オレと井上は、この階級で最もエキサイティングなスタイルを持つハードパンチャーだ。戦争を予言することしかできない。(これまで井上と戦ってきた)他のファイトマネー泥棒たちと違ってオレは井上を恐れない。日本のファンのためにすべてをかけて戦う。大和魂とともに(東京に)登場する」と豪語している。

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