「対戦したいならお前らが(階級を)下げてこい」なぜ井上尚弥は敵前逃亡のグッドマンに理解を示して無謀な対戦要求を突きつけるフェザー級王者達へ怒ったのか?
まだスーパーバンタム級に転向して3戦を終えたばかり。いかに階級転向が大変なことであるかを理解せぬまま盛り上がっている論争やフェザー級王者からの勝手な対戦要求へ言葉では言い尽くせない憤りがある。
スーパーバンタム級には戦うべき“刺客”が残っている。
WBAの指名挑戦者である元WBA&IBF世界同級王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)に大橋会長は「カシメロもいる」と元3階級制覇王者のジョンリエル・カシメロ(フィリピン)の名前も付け加えた。元IBF世界スーパーバンタム級王者の小國以載(角海老宝石)との前哨戦が負傷ドローとなり評価を下げたが、WBO3位にランクされており、井上との因縁もある。またグッドマンが指名挑戦権を維持していれば彼との対戦も避けては通れない。陣営では、年内12月にもう1試合、国内での防衛戦を予定しており、大橋会長は「あと3試合はスーパーバンタム級で」との方向性を明かした。
井上はパウンド・フォー・パウンド1位の奪回については「ウシクはヘビー級という階級だし、しっかりと試合は見ていないが、そういう試合をして選ばれたのであれば言うことがない。自分のボクシングを見せてまた1位に返り咲けたらいいと思っている」との意気込みを口にした。
この日、井上は、シャドー、サンドバッグ、ミット打ちまでの練習を公開した。
「何も考えずに過ごすことで精神的な疲れを抜いた。体力的、肉体的に問題はなくても感じていないストレスがある。一旦フラットにして今日から練習再開です」
ミット打ちでは正確なジャブが印象的だった。
「まずは基礎から土台を作っていく」
東京ドーム決戦を終えて「外を歩けない」ほどの反響があった。
さらに増した期待と4団体王者の責任感がモンスターをさらに巨大にしていく。6月6日には昨年日本人として初受賞した最優秀選手賞(シュガー・レイ・ロビンソン賞)の受賞式を兼ねた全米ボクシング記者協会(BWAA)のニューヨークでの夕食会に出席し、プライベートで交流のないわけではない大谷翔平の所属するドジャース対ヤンキースの試合を観戦予定だ。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)