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試合後にもスコアボードに感動のサヨナラシーンが映し出されたままだった
試合後にもスコアボードに感動のサヨナラシーンが映し出されたままだった

なぜロッテは“ミラクル”を生みだせるのか…阪神に2試合連続サヨナラ勝利で19年ぶりの11連勝…ヒーローは現役ドラフトの愛斗

 日大文理高から2022年のドラフト3位。夏の甲子園は、高松商の浅野(巨人1位)、大阪桐蔭の松尾(横浜DeNA1位)、近江の山田(西武5位)ら逸材が揃った大会で、田中は1回戦の海星戦で7失点したが、最速148キロをマークし、ロッテのスカウトは、そのしなやかな腕の使い方と体幹の強さを見逃さなかった。佐々木朗希方式で、1年間、ファームでじっくり基礎を固めての今回のデビュー。まだ6回もいけそうな投球内容だったが「中6日の体の回復などをちゃんと見たい」と、吉井監督が語ったように、若手選手の体のケアを重要視するロッテは、5回で下げた。
 ヤクルト戦の最初の延長戦で7投手をつぎ込むなど3試合連続の延長でブルペン陣が疲弊していたため、吉井監督は左腕の中村に3イニングを任せた。苦肉の策だ。
 中村は、その6回に押し出し死球で同点に追いつかれ、田中のプロ初勝利を消して、9回に登板した守護神の益田が勝ち越しを許すが、大きな傷口は広げない。4番手の坂本、5番手の沢田が毎回、先頭打者を出しながらも併殺打で切り抜けるなどして踏ん張り、2試合連続のサヨナラ劇へつなげる土台を作った。
 延長11回二死二塁では、熊谷のファウルフライを中村は三塁ベンチ内に手を伸ばしてキャッチする神業プレーで守りきった。
 5月14日のオリックス戦から始まった11連勝の裏には、投手陣の頑張りとベンチの投手のやりくりの苦労がある。15試合負けなしの間に4失点以上したのは2試合だけ。7試合で1失点以下に抑えている。
 あと1勝でバレンタイン監督のもとで日本一となった2005年の4月から5月にかけて記録した12連勝に並ぶ。当時は、強力打線が爆発していたが、今回は11勝のうち10勝が3点差以内という僅差のゲームを勝ち切っている。
「連勝が続いているので、このままできるところまで、1戦1戦戦っていきたい」と友杉はチームを代表して言う。
 いらない死球や、阪神の機動力を防ぎきれなかったことなど、ひとつ間違えば、敗戦につながるミスもあり、吉井監督は「結果的に勝ち切れたが、細かいところを見ると打つ方も投げる方も隙のあるゲーム」と手綱を締めることも忘れていなかった。
 12連勝のかかった今日の先発は、巨人から移籍2年目の左腕メルセデス。今季は8試合に投げて1勝1敗と勝ち星に恵まれていないが、防御率1.50と抜群の安定感を誇る。対する阪神は今季連敗ストッパーの役割を果たしてきた才木。またロースコアの展開になりそうだが、もはや接戦はロッテのお家芸である。
(文責・RONSPO編集部)

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