黒船襲来か?はたまた大コケか?二転三転した英大手「マッチルーム」日本初進出となる賞金総額2億円のミドル級トーナメントが7.15大和アリーナで開幕
プロボクシングの英国大手プロモート会社「マッチルーム」が楽天チケットと組んで日本進出を果たすミドル級の賞金トーナメント「PRIZE FIGHTER」が7月15日に大阪府吹田市の「大和アリーナ」で開催されることが3日、都内で正式発表された。賞金総額は130万ドル(約2億円)という国内では破格の大会に元東洋太平洋ミドル級王者の竹迫司登(32、ワールドスポーツ)が緊急参戦することになった。ただこのトーナメントの開催は二転、三転しており、タッグを組むはずだった亀田興毅氏(37)が代表を務める「3150FIGHT」及び配信会社「ABEMA」との提携も解消して当初の計画に比べて規模は縮小。主催者側のNSNは「1年3試合の3年契約」や大物選手の登場を主張するが、具体名も出せない有様で、先行きは不透明。第1回大会の成否が今後の展開のカギを握ることになりそうだ。
亀田興毅氏の「3150FIGHT」とABEMAとは決裂
二転三転したマッチルームの日本ボクシング市場進出の記念すべき第1回大会がようやく正式発表された。すでにマッチルームは公式サイトでイメージポスターを掲載していたが、この日が正式発表となった。
「PRIZE FIGHTER」は2008年に英国でスタートした画期的トーナメント。賞金総額はなんと130万ドル(約2億円)で1回戦は勝者が15万ドル(約2300万円)で敗者が7万5000ドル(約1150万円)、準決勝が勝者が25万ドル(約3900万円)で敗者が12万5000ドル(約1950万円)、決勝は勝者が60万ドル(約9300万円)で敗者が25万ドル、加えて大会ごとに10万ドル(約1560万円)のKO賞が設けられており、その金額をKO勝ちした選手で山分けすることになっている。もし3試合すべてをKO勝ちで優勝すれば、総額で約2億円を手にすることができる。
英国でスタートしたこの大会は、本来はキックボクシングのK-1グランプリのようなワンデイトーナメントの形式。3ラウンド制で1日の大会で優勝者を決める異例のスタイルが海外で人気を博した。日本でもその形式での開催を模索したが、JBCは選手の安全と健康を守るために選手の1日の複数試合参加は禁じており、3大会に分けての開催となった。
日本人選手も3人が参加。当初出場を予定していたIBF12位、WBO15位のアナウエル・ンガミセンゲ(フランス)が欠場となり、代役としてWBC15位で前東洋王者の竹迫が指名された。
対戦相手は6戦無敗のマーク・ディキンソン(英国)。竹迫は5月11日に韓国でテイジ・プラタップ・シン(豪州)に1-2判定で敗れ、王座から陥落したが、思わぬ再起チャンスが到来した。スーツ姿で会見に出席した竹迫は喜びを隠さなかった。
「韓国では計量後に体重が戻らず下半身に力が入らなかった。ダメージはないし、本来なら再起チャンスが難しいところで最高のオファーをもらった。この賞金は大きい。モチベ―ションが高まるし、それに見合った試合をしたい。他の選手は見ていないが世界ランカーもいると聞いている。今回の相手は映像を見たが、アマチュア経験が豊富で駆け引きがうまいタイプ。一発で倒すタイプではなく前に出てくるし噛み合うと思う。勝てばマッチルームとの契約の可能性があるとも聞いているし、世界への道筋も、おのぞと見えてくる。世界にアピールしていきたい。もちろん優勝します」
偶然にも7月15日は33歳の誕生日で、竹迫の地元の大阪。
「自分のために開催されたのでは、と勘違いしてしまうくらいの縁を感じる」とも言った。