「大谷のお金を使うことしか思いつかなかった」水原一平被告が大谷翔平の口座から約26億3000万円を盗んだ罪を認める…メジャー機構も調査を終了し大谷とド軍は声明を発表
ドジャースの大谷翔平(29)の元専属通訳だった水原一平被告(39)が4日(日本時間5日)、カリフォルニア州サンタアナの連邦裁判所で行われた罪状認否の審理で銀行詐欺と虚偽の納税申告の2つの罪を認めた。スポーツ専門局「ESPN」など複数のメディアが速報で伝えた。違法なスポーツ賭博で借金を作った水原氏は大谷の口座から無断で1700万ドル(約26億3000万円)を送金していた。判決は10月25日(日本時間26日)に言い渡される。また水原被告の罪状認否後、調査を進めていたメジャー機構は「大谷が詐欺の被害者とみなす」として調査の終了を発表。それを受けて大谷、ドジャースも声明を発表した。
「私は銀行Aにアクセスできました」
水原被告はマイケル・フリードマン弁護士と共に、黒いスーツにノーネクタイで、連邦裁判所での罪状認否の審理に現れた。審理を傍聴したESPNによると、裁判官は司法取引に関する知識と罪を認めることによって失う権利について質問し、水原被告は「イエス・サー」と「ノー・サー」と繰り返し答えた。
約50分間続いた審理の終盤で、検察側の弁護士が水原被告への銀行詐欺容疑の概要を説明。それについて裁判官から質問を受けた水原被告は、「私は被害者A(大谷)のために働いていて、彼の銀行口座にアクセスでき、ギャンブルで多額の借金をしていました。彼のお金を使うことしか思いつきませんでした。私は銀行Aにアクセスできました。それでギャンブルの借金を彼の銀行口座から振り込んだのです」と答えたという。
2021年から違法なスポーツ賭博に手を染めた水原被告は、借金が膨らみ、大谷の銀行口座の連絡先メールなどをすべて自分のものに変更。口座から違法なブックメーカーへの送金ができなかった際には、大谷になりすまして銀行に電話をかけ、送金を可能にするなどしていた。大谷は、3月下旬の韓国での開幕戦後に行われた水原被告との話し合いで告白されるまで、何もしらずに騙され続けていた。
審理を終えると、水原被告は、大勢の報道陣に囲まれたが、無表情を貫き、何ひとつコメントせずに車に乗り込んだ。
マーティン・エストラーダ連邦検事は「水原被告は、米国民ではないため、強制送還のリスクを含む重大な移民問題に直面している」と述べ日本への強制送還の可能性を示唆した。銀行詐欺罪は、最大で禁錮30年、虚偽の納税申告は最大で禁錮3年の罪を科せられるが、すでに司法取引に応じており、罪刑は軽減されるものと見られている。判決は10月25日に言い渡されるが、服役後に強制送還の措置が実行されるという。
この問題の調査を続けていたメジャーリーグ機構は、罪状認否後に調査の終了を発表した。
「公表された連邦捜査の徹底性、MLBが収集した情報、そして刑事事件として争われることなく解決されたことを踏まえて、MLBは大谷選手を詐欺の被害者とみなし、この問題は終結した」
大谷が違法な野球賭博に関与していたかどうかが焦点だったが、「問題なし」との結論が導き出された。