「BIG ON BIG(力対力)」全米を震撼させた大谷翔平vs164kmスーパー新人…三球三振→15号2ランのドラマが生まれた理由とは?
MLB公式サイトによると、一方のスキーンズは、「力対力(BIG ON BIG)の勝負と呼んで欲しい。前の打席では私は明らかに彼を押し込んでいた。(被弾は)ふさわしいボールを投げたと思う。彼はいい選手。こういうことは起きるんだ。ただ彼には脱帽した。こういうマッチアップがあるからこそプレーしている。(本塁打を)打たれたのは残念だが、これもゲームの一部だ」 と振り返ったという。
スキーンズは、まだ高校生だった2018年にエンゼルスに移籍してきた大谷の初登板をエンゼルスタジアムで生観戦。憧れの存在として追いかけてきた。自身も大学時代は投手と捕手の二刀流でプレーしていた。
スキーンズは、この試合で93球を投じたが、ストレートの割合が48%を超え、そのうち18球が100マイル(約161キロ)以上だった。
米メディアからは2人の対戦に賞賛の声が相次いだ。
MLB公式サイトは、スキーンズの言葉を引用して「三球三振、そして本塁打。スキーンズと大谷の対戦は力対力(BIG ON BIG)だった」と見出しを取り、CBSスポーツは「メジャーリーグで最も魅力的な1対1の勝負」と表現。NBCのロサンゼルス局は「メジャーファンは間違いのないショーを受け取った」と伝え、USAトゥデイは、「スキーンズは初顔合わせで大谷を吹き飛ばし、2度のMVPに輝いた大谷はリベンジを果たす」と報じた。
またパイレーツの地元紙「ピッツバーグポストガゼット」はこう伝えた。
「ピッツバーグの天才ルーキーは彼の最高のものを見せられなかったが勝利を手にした。MLBで最も注目すべきスーパースターが、ピッツバーグの天才ルーキーと対戦し国際的なアイコンとしてリーグの話題を作った。初回にドジャースの強打者を翻弄した新人投手は100マイル(約160キロ)を超えるストレートで大谷を三球三振に仕留め、平日でありながら2万9716人も集まった珍しく騒々しい観衆を熱狂させた」
米メディアだけでなく2人の名勝負は共に戦った選手たちも感動させた。
MLB公式によると「6番・遊撃」で出場して2安打4打点をマークしたパイレーツのニック・ゴンザレスは「大谷とスキーンズの2人は見たい存在だ。選手としても、ファンと同じくらいあの人たちが頑張ってくれるのを楽しみにしている。見ていて本当にカッコいい」と語り、前出の地元紙によると「1番・DH」で出場したアンドリュー・マカッチェンも「彼らは三振を奪うところも、本塁打を放つところも見せてくれた。2人の男のこの戦いを野球界は話題にすべきだ」と絶賛した。
またドジャースのデイブ・ロバーツ監督も「スキーンズはストレートが命だ。彼を5回でマウンドから下した時点で勝ったと思ったのだが…」とスキーンズを称えた。一方のパイレーツのデレク・シェルトン監督は、「大谷は特別な才能を持った選手だ」と評した上で、「スキーンズの落ち着きには感銘を受けた。本塁打も打たれるだろう。このラインナップを何とかするのは簡単ではない。トップ3はMVP経験者でありオールスターがあちこちに登場するのだから」と、スーパールーキーの3勝目を賞賛した。
ドジャースとパイレーツは、今度はドジャースタジアムに舞台を移して8月9日(日本時間10日)からの3連戦で対戦することになっている。
スキーンズのローテーがどうなっているかは不明だが、大谷とスーパールーキーの名勝負の第2ラウンドを全米のファンが楽しみにしている。