小川航基が2ゴールをマークした(資料写真:松尾/アフロスポーツ)
小川航基が2ゴールをマークした(資料写真:松尾/アフロスポーツ)

森保ジャパンの3バックは機能したのか…ミャンマーに5-0圧勝

 3バックで守備を安定させ、森保ジャパンのストロングポイントでもある両サイドから攻める。青写真が先制ゴールとなって具現化したのは前半17分だった。
 自陣の中盤で味方がボールを奪うや、鎌田は左サイドの中村へ上がれと右手で合図を送っている。その上でボールを受けると素早く反転して、間髪入れずに左サイドのスペースへ抜け出していた中村へ完璧なパスを供給。一瞬で得点チャンスを作り出した。
 ここから先は中村の稀有な得点感覚がさえわたる。
「カットインするのは決めていて、相手がついてきたのでとっさに股抜きに変えました」
 走り込んだ先で鎌田のパスを受けた中村は、左角あたりからペナルティーエリアへ侵入した直後に中へカットイン。必死に食らいついてきた相手の股間が開いた瞬間を意図的に射抜き、鋭い弾道の一撃をゴール左へ突き刺した。
 鎌田は前半34分に、相手ゴール前で反転しながら右足を一閃。シュートは惜しくも左ポストに弾かれたが、こぼれ球をインサイドハーフで先発した堂安律(25、フライブルク)が押し込んだ。鎌田は自身のポジションについて、以前にこう話していた。
「ボランチだろうがトップ下だろうが、どちらも問題ないという感じですね」
 左ウイングバックでは、中村がインサイドハーフに回った後半17分から前田大然(26、セルティック)が驚異的なスピードを存分に発揮。右は同じく17分から相馬勇紀(27、カーザ・ピア)が入り、絶妙のクロスで同30分の小川のチーム3点目をアシストした。
 小川は8分後にも、こぼれ球にうまく反応して左足でゴールネットを揺らした。国内組だけで臨んだ2019年12月のEAFF E-1選手権で、ハットトリックを達成した香港代表戦以来、約4年半ぶりとなるA代表でのゴールを、試合後にこう振り返っている。
「(1点目は)自分の特徴が出たゴールだと思う。勇気くん(相馬)とはずっと前から(代表で)コンビを組んでいて、ああいうクロスが上がってくるのはわかっていたので」
 後半アディショナルタイムには、中村がゴール中央から鮮やかなミドル弾を決めた。出場9試合で8ゴール目の起点となったのは、センターバックではなくボランチで途中出場した板倉滉(27、ボルシアMD)が小川へ通した鋭い縦パスだった。

 

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