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井上尚弥はBWAAのサントリキート会長(右)とリング誌のフィッシャー編集長(左)から表彰を受ける(写真・大橋ジム提供)
井上尚弥はBWAAのサントリキート会長(右)とリング誌のフィッシャー編集長(左)から表彰を受ける(写真・大橋ジム提供)

「あと1年」…井上尚弥がフェザー級で5階級制覇に挑む時期を明かす…ネリ撃破のフィゲロア、亀田和毅に圧勝のバルガス、ボール、ロペスら猛者王者が待ち受ける

 井上は5月29日に本格的な練習を再開。その際、フェザー級挑戦の時期に関しては「フェザー級にいく準備はしているが、そこ(いつのタイミングか)はまだなんとも言えない」と濁していた。
 9月には、対戦の有力候補だったIBFとWBOの指名挑戦者サム・グッドマン(豪州)が7月10日の調整試合を優先させて敵前逃亡したことで、元IBF世界同級王者のTJ・ドヘニー(アイルランド)との防衛戦が有力視されている。これをクリアすれば、12月にもう1試合行う予定で、グッドマン、あるいはWBAの指名挑戦者で元WBA&IBF世界同級王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)が有力候補として控えている。また今後の対戦候補として、大橋会長は、元3階級制覇王者のジョンリエル・カシメロ(フィリピン)なども候補にあげて「あと3試合はスーパーバンタム級で戦う」とも語っていた。井上が「あと1年」としたフェザー級転級の時期とピタリと一致する。
 すでにフェザー級の王者から次から次へと挑戦状が叩きつけられている。トップランク社の所属で、ボブ・アラムCEOが、具体的な対戦候補として名前をあげたIBF世界同級王者のルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)は、自ら「ドリームファイト」と評したフェイクポスターまで作って対戦をアピール。陣営のマネージャーは米専門サイト「ボクシング・シーン」の取材に答えて「井上をKOできる。家を賭けたっていい」とまで豪語した。
 また6月1日にサウジアラビアで行われたビッグイベントでWBA世界同級新王者となったばかりのニック・ボール(英国)のヘッドトレーナーも前出の米サイトに「この先戦いたいのは井上だ。奴を動揺させることができる」と訴えた。
 そして注目の対戦指令が出た。
 WBCが正規王者のレイ・バルガス(メキシコ)と暫定王者のブランドン・フィゲロア(米国)との統一戦を命じたのだ。バルガスはWBC世界スーパーバンタム級王者時代の5年前に暫定王者だった亀田和毅(TMK)と統一戦を戦い3-0判定で勝利している。
 フィゲロアは元WBA&WBC世界スーパーバンタム級の統一王者。井上が2つのベルトを奪ったスティーブン・フルトン(米国)に僅差の0-2判定で敗れているが、ネリをボディショットで沈めており、全米では人気が抜群の好戦的なファイター。「ボクシング・シーン」によると、今秋にもこの対戦が実現する見込みで、フィゲロアは大手プロモートのPBCと専属契約を結び直した。
 またWBA王者のボールは、この勝者との統一戦を熱望しており、WBA&WBCの統一王者が、井上がフェザー級に転級した場合の最有力対戦候補となるだろう。
「ボクシング・シーン」も「来年中に井上がフェザー級へ転級する可能性が高まっている」と暗に対戦の可能性を示唆した。井上がフェザー級のベルトを手にすれば日本人初の5階級制覇。そしてこの階級でも4団体統一を成し遂げれば世界初の偉業となる。
 井上が「あと1年」と明かしたフェザー級転級までモンスターはスーパーバンタム級で“最強”を追求することになる。

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