「彼にとっては遊びみたいな試合」7.28「超RIZIN.3」で実現するパッキャオVS鈴木千裕に異論!…9月に世界戦が計画されていて超本気モードの可能性も
プロボクシングの元6階級制覇王者のマニー・パッキャオ(45、フィリピン)とRIZINフェザー級王者の鈴木千裕(25、クロスポイント吉祥寺)が、7月28日にさいたまスーパーアリーナで行われる「超RIZIN.3」で、RIZINスタンディングバウト特別ルールの3分3ラウンドで対戦することが9日、発表された。体重は68.0キロのキャッチウエイト。代々木第一体育館で行われた「RIZIN.47」の第7試合終了後に榊原信行CEO(60)がリング上に両選手を呼び込み発表したもの。パッキャオには、9月にラスベガスで3年ぶりにボクシングに復帰してWBC世界ウエルター級暫定王者のマリオ・バリオス(29、米国)に挑戦する構想が浮上しており、その“調整試合”として超本気モードでリングに立つ可能性が出てきた。
「ボクシングは思っているほど簡単ではない」
セミファイナルを前に“レジェンド”ボクサーがRIZINのリングに登場した。元6階級制覇王者のパッキャオだ。
スーツ姿にノーネクタイで登場したパッキャオは、「ついにこのリングで戦うことが決まりました。ぜひ来場して素晴らしい戦いを見てもらいたいです」と挨拶。
榊原CEOが「相手が来ています」と呼びかけると、続いてステージからRIZINフェザー級王座とKNOCK OUT-BLACKスーパーライト級王座の2本のベルトを肩からかけ、ネクタイをラフに決めたスーツ姿の鈴木が登場した。
最初にマイクを向けられた鈴木が「リスペクトをもって1ラウンドでKOします。よろしくお願いします」と強気のKO宣言。1万2000人を超えるファンで埋まっていた会場を沸せた。
対するパッキャオは、「ベストを尽くしてこの選手にボクシングを教えたい。ボクシングは思っているほど簡単ではない」とニヤリ。
元6階級制覇王者が、パンチが武器とはいえ、ボクシングに関してはプロ経験のない鈴木に負けるはずがないとの矜持をちらつかせた。
榊原CEOは、「みんながぶったまげる発表を5つ用意している。世界中をその情報が駆け巡ることになる」と予告していたが、パッキャオを本当にリングに引っ張りだしたのにはインパクトがあった。
72戦62勝(39KO)8敗2分けのボクシング戦績を誇るパッキャオは、榊原CEOが紹介した通り、グリーンボーイ時代には“噛ませ犬”として後楽園ホールで試合をしたこともあったが、豪快にぶっ倒すファイトで、フライ級から成り上がり、マルコ・アントニオ・バネラ、ファン・マヌエル・マルケス、エリック・モラレス(いずれもメキシコ)らの強豪を次々と撃破。オスカー・デラホーヤ(米国)とのビッグマッチなども制して2015年5月のフロイド・メイウェザー・ジュニア(米国)との世紀の一戦は、僅差の判定で敗れたものの、PPVの売り上げは、史上最高の460万件を記録、興行収入の総額は、5億ドル(約780億円)に到達したとされる。
2021年8月のヨルデニス・ウガス(キューバ)とのWBA世界ウエルター級の王座統一戦で判定負けして引退を表明。メイウェザーがエキジビションで大金を稼いでいることに刺激を受けて2022年12月には韓国で格闘系ユーチューバーのDK・ユー(韓国)と2分×6ラウンドのボクシングルールのエキシビションマッチで対戦。途中ダウンを奪うものの、動きは鈍く、体重差もかなりあったため、判定では圧勝したがKOで決着をつけることはできなかった。
パッキャオは、その数週間後に来日にして、大晦日の「RIZIN.40」のリングに登場し、RIZINと契約を結んだことを明かし、2023年の夏以降にリングに立つことを表明。この時点では、水面下では、この日、UFC挑戦を表明した朝倉海との対戦などが模索されていたが、2年越しの計画がついに実現することになった。