悪夢8連敗の西武は次期監督に誰を選ぶべきか…「渡辺GMの監督代行なんてありえない人事だ」…大物OBが推薦するのは“あの人”
渡辺GMは、広岡氏が監督時代の1983年のドラフトで1位指名した選手。4球団が競合した高野光を指名したが、ヤクルトにクジで負け、ドラフト会場のテーブル上での緊急会議で、広岡氏が「時間はかかるがボールが速くて何しろ負けん気が強い」と渡辺指名を決めた。渡辺をこの世界に導いた恩師だけに「自分がGMとしてのチーム作りに失敗しておいて今さら監督はないだろう」と遠慮はない。
ここ数年、浅村栄斗が楽天、秋山翔吾がメジャーを経て広島、森友哉がオリックス、山川穂高がソフトバンクへと打者の主力が流出し続けているが、代わりの主軸となるべきニュースターは出てきていない。「ドラフトとコーチングのセットでの土台作りが機能していない」との見立てが広岡氏にはある。明らかに戦力が不足している。
今季は野手ではコルデロ、アギラーの2人を獲得したが、不調と怪我などもあり、松井監督の休養時点では、2人は共に2軍落ちしていた。渡辺GMは代行監督に就任すると自らがGMとして獲得にかかわったコルデロをすぐに昇格させたが、結局、6試合で1本のヒットも打てずに6月3日に2軍落ち。現在交流戦でのチーム打率は12球団最低の.172だ。
今井、隅田知一郎、ドラフト1位の武内夏暉の3本柱に高橋光成、ボー・タカハシ、渡邉勇太朗、松本航、現在故障で2軍調整中の平良海馬らの先発陣、外国人のストッパーのアブレイユに関してはリーグでもトップ級ではあるが、その布陣を生かし切れていない。今季0勝と調子の上がらない高橋光成は、渡辺GMが指揮をとってもまだ修正できないままだ。
広岡氏は来季の監督交代を進言する。
「渡辺は一時しのぎ。来年からは新しい監督で出直さねばならない。2軍監督の西口(文也)が候補の1人らしいが、その方式で監督をさせた松井でさえ我慢できず、2年もやらせずにクビにしたのだから、今の苦境を任せるのには荷が重い。私は西武を代表するOBでソフトバンクで優勝、日本一を経験している工藤を推す」
広岡氏は球団OBの工藤氏を強力プッシュする。
工藤氏も広岡氏が監督就任直後の1981年オフのドラフト6位で指名した。熊谷組へ進むことが内定していたが、強引に下位指名し、3年目に広岡氏の発案で、米国の教育リーグで武者修行をさせている。西武でエースとして活躍後、ダイエー、巨人でも日本一となり、優勝請負人と呼ばれた。その後、横浜、そして2010年には西武に復帰して48歳まで現役を続け、2011年の1年の浪人生活を最後に現役を引退した。
引退セレモニーが行われたのは2012年4月7日の西武ドームでの西武対ソフトバンク戦の始球式。工藤がマウンドに立ち、当時の監督だった渡辺GM兼監督代行がキャッチャー、ソフトバンク監督で西武OBの秋山幸二氏が打席に立った。