「移籍問題は終わりではなく始まり」F1角田裕毅がRBと2025年の単年契約を結んだ裏事情とは?
F1のRBは先日、角田裕毅(24)と2025年の単年契約を締結したことを発表した。これにより、角田は同じチームで5年目のシーズンを迎えることとなった。
今回の契約は過去数回行われてきた契約更新とは少し状況が異なっている。これまでの角田のF1残留の発表は、シーズン後半に行われてきた。F1は各チーム2台のマシンがあり、トップチームは2人とも実力のあるドライバーを揃え、それ以外のチームは1人は、実力のあるドライバーにし、もう1人は残った者の中からベストなドライバーか持参金を持ち込むいわゆるペイドライバーと契約することが多い。
そのため契約は、チームはトップチームから、ドライバーは実力のある者から決まっていく。
アウディが角田に興味を持っていた
2024年限りで契約が終了するドライバーは以下の通りだ(数字は2023年のドライバーズ選手権順位)。
2 セルジオ・ペレス(レッドブル)
3 ルイス・ハミルトン(メルセデス)
4 フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
5 シャルル・ルクレール(フェラーリ)
7 カルロス・サインツ(フェラーリ)
11 ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
12 エステバン・オコン(アルピーヌ)
14 角田裕毅(RB)
15 バルテリ・ボッタス (ザウバー)
16 ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)
17 ダニエル・リカルド(RB)
18 周冠宇(ザウバー)
19 ケビン・マグヌッセン(ハース)
21 ローガン・サージェント(ウィリアムズ)
この中で、最初に2025年以降の契約を決めたのが、フェラーリ残留を決めたルクレールで、2人目がそのフェラーリへの電撃移籍を決めたハミルトン。2人とも開幕前の発表だった。3人目はアストンマーティンへの残留を決めたアロンソで4月11日。4人目はアウディ傘下のザウバーへの移籍を決めたヒュルケンベルグで4月26日だった。
5月はドライバー・マーケットに動きはなかったが、6月に再び動き出す。6月4日にペレスがレッドブル残留を決め、6人目が今回の角田だった。角田のランキングは昨年こそ14位だが、今年はここまで好調でランキング10位につけており、トップドライバーの一人と言ってもいい存在となっている。
2024年に契約が切れるドライバーが、続々と契約を締結している中、今シーズンのランキングでトップ10につけているドライバーで去就が決まっていなかったのはサインツと角田だけ。さらにサインツはウィリアムズへの移籍が濃厚と言われており、ここにきて角田に注目が集まっていた。
その中で最も強く角田に興味を持っていたのがアウディだと言われている。アウディは2026年から傘下のザウバーとともにF1に参戦する。アウディは5月中旬にも2025年のザウバーのドライバーラインナップを決定したがっており、4月下旬に契約を発表したヒュルケンベルグ以外にも、ドライバーマーケットに出ていた多くのドライバーに触手を伸ばし、その中に角田がいたと考えられる。