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堤聖也が世界戦の査定試合に挑む。12月にWBA王者の井上拓真が挑戦者に指名予定
堤聖也が世界戦の査定試合に挑む。12月にWBA王者の井上拓真が挑戦者に指名予定

7.7両国で堤聖也が不幸の起きた穴口一輝戦以来のリングへ…「覚悟を持って」…WBA王者の井上拓真が12月の挑戦者に指名予定

「僕はいつも覚悟を持ってリングに上がっている」
 堤は、そう自らのボクシング信条を繰り返した。
 今年2月の表彰式に出席した際には、「覚悟してボクシングをしている。試合前には、僕がこれで終わるかもしれない、それを考えている。試合後の(穴口氏の)意識がない話を聞いたときから回復を願っていたが(そういう)覚悟もあった」という話をしていた。
 そして「あの試合は誇りに思っている。彼に限らずこれまで戦ってきた人…人生の潰し合いと思ってボクシングをやっているから。戦ってきた人たちへの思いはある。(穴口氏には)よりその思いは強い。拳に彼らの思いが乗っている。すべてを覚悟した上で、今後とも自分のスタイルのボクシングを皆さんに見せていきたい」とも話した。
 この日「背負うものがあるのでは?」と聞くと「僕のボクシングをやるだけ、別に今それをここで言うことじゃないと思う」と多くを語らなかった。
 しかし「今でも思い出している。考えている…」と、真剣な表情で思いを伝え、「それがボクシングに影響することはない」と続けた。
「あの試合はボクシングでは負けていた。だから練習するしかない。試合が終わって最初の感情は悔しいだった。ボクシング勝負ではフルに負けていた。勝負強さとパンチで倒して勝ちを取ったが、それに頼るのは最終手段。ボクシングレベルの底上げは必要」
 それが命をかけて戦った穴口氏から教えられたことだった。
 3月からはボクシング漬けの生活を送った。
 武居の挑戦を受けるWBO世界バンタム級王者のジェイソン・モロニー(豪州)にスパーリングパートナーとして呼ばれ、豪州で約1か月半、池側純、中川抹茶らと共に合宿生活を送った。そのモロニーは5月6日の東京ドーム決戦で武居に判定負けした。
「ショックでした。2か月。ジェイソンに勝ってもらうために(パートナーを)やった。でもあれは武居選手が上手だった。結果や内容に思うことはない」
 5月24日から6月10日までは、米国ロスで合宿を行い、7月20日に防衛戦を控えるWBC世界バンタム級王者の中谷潤人(M.T)、同じく、その日に、加納陸(大成)とのWBO世界フライ級王座決定戦に出場する“トニー”ことアンソニー・オラスクアガ(米国)、WBO世界バンタム級8位のサウル・サンチェス(米国)らとスパーリングを重ねた。
「中谷君は強かったですね、全然やられたんで。総合的な部分ではみんなレベルが高かった」と認めたが「でもスパーと試合は違う。そう思わないとやってられない」とプライドをのぞかせた。
 世界王者、世界トップクラスと拳を交えた豪州、米国合宿の日々は、堤に世界への課題と自信をリアルに感じさせることになった。

 

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