7.7両国で堤聖也が不幸の起きた穴口一輝戦以来のリングへ…「覚悟を持って」…WBA王者の井上拓真が12月の挑戦者に指名予定
「まだ自分は弱いなあという気持ちにはなった。通用する部分はあるが弱さの再確認もできた。技術的な部分、総合的にね。ただ刺激はもらった。世界を遠くには感じていない。試合すれば(世界は)取れるかなと思う」
この試合の次に見据えるのは世界戦だ。
実は、WBA世界同級王者の井上拓真陣営は、12月に予定しているV3戦の相手としてWBA2位にランクされている堤を指名する方針をほぼ固めている。この試合がその最終査定試合となるだろう。堤が穴口氏と戦ったのは優勝賞金1000万円がかかった「井上尚弥4団体統一記念杯・バンタム級モンスタートーナメント」の決勝だった。主催者は大橋ジムで勝者に世界挑戦権を与えたいとのプランがあった。
現在、バンタム級は4人の日本人王者が独占しているが、堤は戦いたい相手は誰か?と聞かれ「井上拓真です」とハッキリと明言した。
高校時代にインターハイの準決勝で敗れた相手。
「噛み合いは悪い。アマチュア時代に負けて、やり返したい欲が一番強いのが拓真。プロ入りした時から拓真にリベンジしたいと思っていたが、僕がプロデビューした時に(拓真は)すでに東洋チャンプになっていて、色々(タイミングは)合わないと思っていたが、こうなってきたら意識はします」
10年越しのリベンジなのだ。
ただ5月6日に東京ドームで行われた井上拓真と石田匠(井岡)との指名試合は、モロニーのアップの相手を務めていた関係もあり「モニターで見たくらいだった」という。
時間が経過しているがまだ映像を見返していない。意識しているわけではないが、元々ライブ以外でボクシングを見るのが好きではないという。ただ2月のジェルウィン・アンカハス(フィリピン)とのV1戦はリングサイドで見ていて「すでにイメージはある」。世界戦が決まれば「教材として石田戦は見ますよ」と続けた。4人の日本人が持つバンタム級のベルトを巡る戦いが面白くなってきた。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)