9度目完封負けの阪神は今からでも「第3の外国人野手」を緊急補強すべきなのか…異変が起きた阪急阪神HD株主総会で「なぜ新外国人を獲得しなかったのか?」の辛辣な質問が飛ぶ
この日のソフトバンク戦で、阪神打線はまたしても不発だった。昇格したノイジーは「3番・レフト」で起用され、1回の第1打席に、あと数センチで本塁打だったレフトフェンス直撃の二塁打を放ち、続く近本が内野安打でつなぎ、好投手のモイネロの立ち上がりを襲った。だが、原口が高めのストレートを振って三振。踏ん張っていた伊藤将が5回に痛恨の先制の2ランをルーキーの広瀬に打たれ、2点を追う展開となった8回に一死一塁の反撃機をつかんだ。岡田監督は、ノイジーにフルカウントから自動エンドランをかけたが、2番手の松本が真ん中低めに投じたストレートを空振りし、走者の中野も二塁でアウト。反撃の機会は一瞬にして消え、最悪の三振ゲッツーに終わった。
スポーツ各紙の報道によると、岡田監督は「(ノイジーは)真っすぐに当たれへんねんもん、何にもでけへん」とぼやいた。
結局、5度の得点圏チャンスを生かせず、今季9度目の完封負け。2軍調整させたノイジーは何も変わっていなかった。
プロ野球界には「優勝したときこそ補強せよ!」との格言がある。モノ言う株主が意見したように、結果論ではなく、フロントは第3の外国人野手を用意しておくべきだったのだろう。では、今からでも新外国人の緊急補強に動くべきなのか。
巨人がシーズン途中に獲得し、交流戦からデビューしたヘルナンデスは、8試合連続ヒットを含む打率.328、2本塁打、9打点と活躍している。3Aで最多安打をマークしているヘルナンデスは、阪神の獲得リストにもあった選手。阪神のフロントの1人は、「ああいうタイプの打者をチームは求めていない。欲しいのは長距離打者。だが、そういう選手は、もろさも同居しており、過去の例を見てもシーズン途中で獲得した選手の成功例は少ない。そもそも取るべき人材が、今のメジャーの市場に不足しているという現状もある」という見解を示し、新外国人の途中補強には消極的だった。
実際、今から動いて契約に至っても、デビューできるのは、球宴以降となり、日本野球に適応しているうちにシーズンが終わってしまうだろう。シーズン途中の新外国人の緊急補強は現実的ではない。
まだシーズンは半分以上残っている。13日のオリックス戦で抜擢した3年目の豊田が存在感を示したが、前川ら若手の大ブレークか、“岡田マジック”で、なんとかノイジー、佐藤を再生するしか手は残されていないのかもしれない。