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天皇杯で筑波大にジャイキリを許した町田が横浜F・マリノスに逆転勝利。黒田監督が改めて発言の真意を説明した(資料写真:松尾/アフロスポーツ)
天皇杯で筑波大にジャイキリを許した町田が横浜F・マリノスに逆転勝利。黒田監督が改めて発言の真意を説明した(資料写真:松尾/アフロスポーツ)

「町田ゼルビアは決して悪ではない」黒田監督が“ジャイキリ”許した筑波大後の発言を撤回しなかった理由とは…先発全員を入れ替えて横浜F・マリノスに逆転勝利

 J1リーグ第18節が15日に行われ、12日の天皇杯2回戦で筑波大学に大金星を献上したFC町田ゼルビアが、横浜F・マリノスに3-1で逆転勝ちして首位をキープした。敵地・日産スタジアムに乗り込んだ町田は前半14分に先制されたが、43分、後半12分、16分に怒涛の3連続ゴールをマーク。4人の負傷者を出した天皇杯後に相手のプレーに苦言を呈し、SNS上で物議を醸した黒田剛監督(54)は、試合後に「町田ゼルビアは決して悪ではない」と明言。自身のコンセプトを貫く決意を新たにした。

 「我々が正義である」

 日産スタジアムの記者会見場に黒田監督の声が響いた。
「天皇杯でいろいろありましたけど、町田ゼルビアは決して悪ではない。われわれが正義であると、言いたいことをしっかりと言いながら、またダメなものはダメと訴えながら貫いていく。これがいまの日本のサッカー界に必要なパワーだと思う」
 PK戦の末に筑波大に敗れる、歴史的なジャイアントキリングを食らってから3日。ごく限られた時間でチームを立て直し、敵地でマリノスに逆転勝ちを収めるまでの過程でほどこしたマネジメントを問われた指揮官は、さらにこう続けた。
「町田のサッカーをネガティブにとらえている選手は一人もいない。何かクレームをつけられるようなサッカーをしている、と思っている選手もいない。われわれが勝つために志向してきたサッカーを信じて、絶対に必要だと全員が理解している。このベクトルがしっかり合っているのが、勝利の要因になっている」
 YBCルヴァンカップのベスト8進出をかけて、町田は5日と9日にセレッソ大阪とのプレーオフラウンドを戦った。2戦合計5-3でセレッソを退けた黒田監督は、中2日で迎える筑波大との天皇杯初戦へ先発全員を入れ替えて臨んだ。
 しかし、試合終了間際に1-1の同点に追いつかれ、延長戦でも決着をつけられなかった。もつれ込んだPK戦で2-4と敗れただけでなく、120分間で4人もの負傷者を出した。開始8分に交代したDFチャン・ミンギュ(25)は左鎖骨を、先制点を決めた直後の同25分に交代したMF安井拓也(25)は右脛骨骨幹部を骨折する重傷だった。
 さらに後半途中から投入されたFWナ・サンホ(27)は左足関節靭帯損傷、前距腓靭帯損傷、三角靭帯損傷と複数の怪我を負って延長戦開始とともにベンチへ。交代枠を使い切った後に負傷し、120分間プレーせざるをえなかったオーストラリア代表のFWミッチェル・デューク(33)も左大腿二頭筋の肉離れと診断された。
 初戦敗退の悔しさが残る状況で臨んだ公式会見。黒田監督は「批判を覚悟で言わせてもらいます」と前置きした上で、筑波大のプレーに対して苦言を呈した。
「勝ち負け以前にサッカーにおいて怪我人を出すプレーに対して、選手生命を脅かすかどうかという点も含めて、しっかりと指導してほしい」
 さらに批判の矛先は、筑波大の選手の態度に対しても向けられた。
「大人に向かって配慮が欠けるようなタメ口や乱暴な言葉であるとか、非常にマナーが悪いというか、指導や教育もできていないような一面も見られた」
 一連の苦言がSNSで激しく非難された。町田が標榜するサッカーの最大のコンセプトとして、球際の攻防における激しさがある。場合によってはラフプレーとも揶揄されてきただけに、負ければラフプレーだと逆に相手を訴えるのかと炎上を招いた。

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