「この男は誰だ?聞いたことがない」WBAの井上尚弥へのアフマダリエフとの“謎”の対戦指令にアラムCEOが激怒…9月次戦はドヘニー1本化でベルト返上の可能性も示唆
指名試合を拒否することでWBAからベルト剥奪を命じられれば返上も辞さないという姿勢を示唆した。
リオ五輪の銅メダリストでもあるアフマダリエフは、2020年1月に米国マイアミでWBA&IBF世界同級王者のダニエル・ローマン(米国)に挑戦して僅差の判定で2冠を獲得し、その後、母国で岩佐亮佑との防衛戦にも成功したが、昨年4月にタパレスに1-2の判定で敗れて王座から転落。井上との対戦機会を失った。再起戦となる昨年12月のWBA世界同級挑戦者決定戦にTKOで勝利してランキング1位となるなど、高度なスキルと共にキレのあるパンチと回転力を持つ実力派ボクサーではあるが、アラムCEOが指摘するように世界的な知名度は低い。
米専門サイト「ボクシングシーン」もアラムCEOがWBAの指名試合指令を拒否する考えを示したことを伝えた上で、井上の今後のプランに精通している2人の関係者の話として「井上はWBAの指令を拒否して9月に日本でタイトル防衛戦を行う。次戦の契約が締結されたことは確認されていないがTJ・ドヘニーが対戦相手と考えられている」と報じた。
井上自身も、2階級4団体統一を果たした後に「今後は、指名試合が絡んでくるので、ベルトを返上することになっても仕方がない」との意向を示していた。指名試合に縛られると戦いたい相手と対戦できなくなる可能性もあり、すでに4つのベルトをまとめ、東京ドームで元2階級制覇王者のルイス・ネリ(メキシコ)を6回TKOで撃破して防衛も果たした井上の価値は、もうベルトの数ではない。
井上の他に2階級4団体統一王者は2人いるが、彼らも4つのベルト維持には苦労している。ウエルター級の4団体を統一したテレンス・クロフォード(米国)は指名試合を拒否したことでIBF王座を剥奪され、ヘビー級の4団体と統一したことで、井上を抜いてパウンド・フォー・パウンドの1位にランキングされたばかりのオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)も、IBFの指名試合を拒否して、12月21日にタイソン・フューリー(英国)との再戦を優先したことで、ベルトの剥奪を警告され、指名試合延期の特例許可を申請している。
果たしてWBAはどんな反応を見せるのだろうか。