• HOME
  • 記事
  • 野球
  • まだいちゃもん?「MLBは(疑惑を)隠蔽している」大谷の“賭博問題”調査を終結したメジャー機構に大手金融会社コンプライアンス責任者が疑問を投げかける…米紙報道
ニューヨークポスト紙がメジャーリーグが終結を宣言した大谷翔平と水原一平被告の賭博スキャンダルに関する調査を「隠蔽している」と問題視(写真・AP/アフロ)
ニューヨークポスト紙がメジャーリーグが終結を宣言した大谷翔平と水原一平被告の賭博スキャンダルに関する調査を「隠蔽している」と問題視(写真・AP/アフロ)

まだいちゃもん?「MLBは(疑惑を)隠蔽している」大谷の“賭博問題”調査を終結したメジャー機構に大手金融会社コンプライアンス責任者が疑問を投げかける…米紙報道

 ドジャースの大谷翔平(29)の口座から元専属通訳だった水原一平被告(39)が違法なスポーツ賭博で作った借金を返済するために不正に1700万ドル(約26億7000万円)を盗んだ問題についての罪状認否審理も終わり、MLBも調査の終結を宣言した。あとは10月25日の判決を待つだけの状況となっているが、ニューヨークポスト紙が15日(日本時間16日)、大手金融会社のコンプライアンス責任者の意見として「MLBは明らかに隠蔽している」との記事を掲載した。“アンチ大谷”の懐疑的見方は、まだ続くようで…。

 1万ドル(約157万円)以上の送金でアラートが作動

 大谷が巻き込まれた“野球賭博スキャンダル”は、元専属通訳の水原被告が4日(日本時間5日)にカリフォルニア州サンタアナの連邦裁判所で行われた罪状認否の審理で、銀行詐欺と虚偽の納税申告の2つの罪を認めたことで“終結”。この問題を調査していたメジャーリーグ機構も「大谷が詐欺の被害者とみなす」として調査の終了を表明した。
 大谷、ドジャースもそれぞれ声明を発表。すべてが一件落着で、あとは10月25日の判決を待つだけの状況となっている中で、ニューヨークポスト紙が「大谷翔平、元通訳の賭博調査に残る疑問」という注目記事を掲載した。
 ニューヨークポスト紙は、最近、水原被告が「Uber Eats」の配達員をしていたというスクープ写真を掲載したメディアだ。
 1982年から同紙のテレビ・ラジオコラムニストを務めているフィル・ムシュニック記者が執筆したもので「煙が出ない住宅火災を見たことがありますか?」との比喩を使い、「大谷がMLBから“プレイボール!”の許可(調査終了)が下りた瞬間に住宅ローンの借り手に過ぎない私よりも金融法に詳しい人たちから“なんだこりゃ?”という声が相次いだ」と続け、その中から、東海岸の大手金融会社の上級管理職でコンプライアンスの責任者の意見を紹介した。
「これはMLBの最大のスター選手に対する明らかな隠蔽だ。米国の銀行システムでは1万ドル(約157万円)を超える現金を送金すると、SAR(不審な活動レポート)が作動する。支店のシステムからコンプライアンス部門、さらには、複数の送金事実がある場合は、法務部門まで銀行管理の複数の層によってレビュー、報告、文書化する必要がある」
 そのコンプライアンスの責任者は、さらに、こう指摘した
「これらは、必ず遵守しなければならない事項なのだ。不正行為が疑われる場合は、必ずFinCEN(米国財務省が運営する金融犯罪取締ネットワーク)に提出しなければならない」
 検察と水原被告側の合意文書によると水原被告は大谷の口座の情報を取得し、銀行からの連絡が入るメールアドレスや電話番号を自分のものに変更し、銀行が送金を凍結した際には大谷になりすまして、担当者に電話をかけて、本人しか知り得ない個人情報を伝えるなどして解除したとされている。その電話の回数は24回に及ぶという。
 また大谷の口座は、年俸が振り込まれるものとその他のスポンサーフィーなどが振り込まれるものの2つがあり、水原被告は、年俸用の口座を使って違法なスポーツ賭博で膨らんだ借金を違法なブックメーカーへ送金していた。2021年11月から2024年の1月にかけて行われた不正送金の回数は、少なくとも41回にのぼるとされている。
 また水原被告は大谷が資産の管理を任せている金融の専門家(いずれも日本語を話せない)に対して彼らが口座にアクセスできないように「大谷が口座へのアクセスを拒否している」と騙して大谷を交えてのミーティングを要求された際には「大谷が体調不良で参加できない」と嘘をつき乗り切っていた。水原被告の悪徳な手口にひっかかり、大谷は、それらの不正にまったく気がつかなかったと証言している。

 

関連記事一覧