「正直それまでそんな話はしなかった」引退会見で岡崎慎司が明かした“Wシンジ”の絆…ドイツ6部バサラ・マインツ監督就任の異例同時発表も
「真司も同じ境遇にいたので、彼とそういった(代表の)話をしながら、自分もすごく救われた部分もあった。正直に言うと、それまで真司とはそういう話をあまりしなかった。それがここからW杯を目指そう、という話をして僕は助けられたし、向こうも刺激になったと思う。真司の存在があったからこそ、自分のキャリアの最後の4、5年を、代表に入れなかった時期を頑張ってこられたと思っています」
引退会見を終えた直後には、ドイツ6部リーグに所属するバサラ・マインツが、岡崎の新監督就任を発表した。母校の滝川第二高の先輩とともに、当時プレーしていた地に同チームを立ち上げたのが2014年。下部組織を有するチームへ規模を拡大させてくれた先輩の手腕と、すぐにセカンドキャリアを歩める環境に岡崎は感謝する。
「挑戦の続きをすぐに歩める、と思えたからこそ引退した部分もある。自分にとってはどちらかというと、最終的にポジティブな決断に至ったと思っています」
同時に7月からはシントトロイデンのアンバサダーに就任し、クラブの経営にも参画する。さらにヨーロッパサッカー連盟(UEFA)が発行する、プロの指導者ライセンスの取得も目指していく。岡崎は会見前日の16日に帰国したが、それまではイギリスで10日間におよぶ指導者講習を受けるなど、すでに第一歩を踏み出している。
もちろん取得へのハードルは高く、岡崎も「5年、10年かかってでも」とバサラ・マインツで指導者の経験を積みながら、長期的な視野に立って取り組んでいく。そしてプロ指導者ライセンスを取得すれば、日本代表監督への就任が可能になる。
「監督としての挑戦の最大の目標は、やはりそこになります。プレーヤーとしてW杯優勝を達成できなかったので、日本代表監督としてW杯で優勝したい」
セカンドキャリアで描く壮大な夢を明かした岡崎は、今後もヨーロッパを活動拠点にし、新シーズンの開幕を控えるバサラ・マインツに8月から合流する。
(文責・藤江直人/スポーツライター)