岡田阪神はトレードに動くべきか(写真・黒田史夫)
岡田阪神はトレードに動くべきか(写真・黒田史夫)

岡田阪神は緊急トレードに動くべきか?

 セ・パ交流戦は今日18日の阪神―日ハム戦を最後に終了する。阪神はここまで6勝11敗で交流戦11位と苦しんできた。原因は打撃不振。すでにフロントは新外国人の補強は行わない方針を固めているが、緊急トレードには動くべきなのか。期限は7月末だ。

 

 虎の打撃不振が深刻だ。交流戦のチーム打率.215は12球団中10位。4本塁打はオリックスと並びワーストだ。
 16日のソフトバンクとの第3戦は、初回に前川が目の覚めるようなプロ初の満塁本塁打を放ち、連敗ストッパーの才木が7回を1失点に抑え、桐敷、岩崎のリレーで逃げ切った。だが、2回以降はヒット2本だけ。岡田監督は、手を変え品を変え打線を動かし、15日のソフトバンク戦からは、近本を1番に戻して中野との1、2番コンビを復活させた。右投手の場合は、佐藤を4番に置くなど、打線につながりを作ろうと試行錯誤しているが、まだトンネルを抜け出す気配はない。しかも、16日のソフトバンク戦で、木浪が背中に死球を受けて肩甲骨を骨折して戦列を離れた。長期離脱の可能性もある。
 14日に大阪市内で行われた阪急阪神ホールディングスの株主総会では、株主から「なんで新しい外国人を取らなかったのでしょうか。今現在、ノイジーとミエセスがいますけど(昨年)全然成績がよくはなかったんですが、なんで使っているのか不思議でなりません」との質問が飛び出した。不調で2軍落ちしたノイジーを14日のソフトバンク戦から昇格させたが、ここまで打ったヒットは第1打席のフェンス直撃の二塁打だけ。今季まだヒット2本のミエセスは、入れ替わりで2軍落ち。
 開幕直前に新外国人オドーアが電撃退団するという激震に見舞われた巨人は、ヘルナンデスをシーズン途中で獲得し、交流戦からデビューさせ、交流戦打率.342、3本塁打と起爆剤となったが、阪神に第3の外国人獲得の動きはない。そもそも岡田監督も獲得可能な外国人市場のレベルが下がっていることから「その程度の新外国人を取るなら生え抜きの若手を使う」という考え方で、そこには期待していない。
 では緊急トレードはどうか。
 岡田監督が、就任と同時に日ハムとの間で渡邉諒、高濱祐仁―江越大賀、齋藤友貴哉の2対2トレードを成立させたが、昨年オフは動かなかった。阪神でのシーズン中のトレードは、2021年7月2日に中谷将大を交換要員にソフトバンクから二保旭を獲得して以来、行われていない。しかし、交流戦終わりの緊急トレードは球界トレンドでもある。豊富な投手力を誇る阪神には交換要員の“玉”はある。木浪の怪我が長期化するのであれば、ショートは小幡一人では、こころもとない。打線の強化と共に緊急補強ポイントではある。今緊急トレードに動くべきなのか。
 巨人OBで、西武、ヤクルトで監督を務め、日本一を経験している球界大御所の広岡達朗氏は、緊急トレードには反対だ。

 

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