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阪神は交流戦の最終戦をサヨナラ勝利で締めたが岡田監督は5つの走塁ミスを激怒(資料写真・黒田史夫)
阪神は交流戦の最終戦をサヨナラ勝利で締めたが岡田監督は5つの走塁ミスを激怒(資料写真・黒田史夫)

「おい!何をしとんねん」なぜ阪神の岡田監督は新庄日ハムにサヨナラ勝利も「5つの走塁ミス」に激怒したのか…怒りに込められたリーグ戦再開後のキーワード

 阪神が18日、甲子園で行われた日ハムとの交流戦の最終戦に延長11回に2-1でサヨナラ勝利。貯金「2」で21日からのリーグ戦再開を迎えられることになった。だが、試合後の岡田彰布監督(66)は、5つの走塁ミスを指摘して激怒。打線がスランプから抜け出せていないだけに得点の確率を高める走塁の重要性を説いた。

 代打原口の右邪飛でタッチアップを躊躇した森下

 フィナーレはあっけなかった。
 1-1で迎えた延長11回に一死から交流戦でスポットライトを浴びた代打の豊田がセンター前ヒットで出塁した。続く森下のショートゴロは、正面に飛んだがイレギュラーし水野が打球を弾いた。併殺で終わるところが、一転、一、三塁のサヨナラ機となり、通算1000試合出場のメモリアルゲームに華を添えるかのように梅野に打順が回ってきた。カウント2―0からの3球目。“二刀流”矢沢が投じた高めのスライダーを途中出場の田宮がミットに当てながらも後逸して代走植田がサヨナラのホームを駆け抜けた。新庄監督は、サインミスを疑ったそうだが、田宮のあわてぶりからして、ストレートのサインで矢沢がスライダーを投じたバッテリーの連携ミスだったのだろう。
 梅野がウォーターシャワーを浴び、ホーム付近は、お祭り騒ぎになったが、岡田監督はニコリともしていなかった。
 試合後のテレビインタビューでは、「もう、走塁ミスばっかり。行かないから。4つよ。今日ね」と度重なる走塁ミスを指摘。あとで走塁ミスは、走塁ミスは4つではなく、「5つ」と訂正した。
 スポーツ各紙の報道によると、囲み会見では「ひどいなあ」とさらに怒りがヒートアップしていたとう。
 岡田監督を最も怒らせたのは5回の森下の判断だ。
 0-0で迎えた5回。無死一、三塁から梅野がセーフティースクイズに失敗したが、小幡が四球を選び、一死満塁となり、4回までわずか1安打に抑えられていたドラフト1位の細野をマウンドから引きずり下ろした。新庄監督が1軍昇格したばかりの39歳の“鉄腕左腕”宮西にスイッチすると、岡田監督は、無失点の好投を見せていた先発の村上に代えて代打原口をコールした。
「村上も飛ばしていたし、ずっと勝ちが付いてないから、5回でもなんとか勝ちを付けてやろうと思った」
 4連敗中の村上への親心を含んだ勝負手だった。
 原口はなんとか食らいつきライトファウルグラウンドのフェンス際に大飛球を放った。犠牲フライには十分だった。日ハムのライトは、球界屈指の強肩である万波だったが、手を伸ばしてギリギリで捕球し、しかも、体を反転させなければ、ホームに送球できなかった。だが、三塁走者の森下はスタートを切った直後にストップ。躊躇して本塁を狙わなかった。
 その瞬間、ベンチで岡田監督は、顔をゆがめ「おい!何をしとんねん!」と大声をあげた。

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